お役立ちコラム

男女の賃金差異の公表が義務化されます!

令和4年7月8日に女性活躍推進法に関する制度改正がされ、情報公表項目に「男女の賃金の差異」を追加するともに、常時雇用する労働者が301人以上の一般事業主に対して、当該項目の公表が義務づけられることとなりました。

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【法改正の背景】

日本における男女間賃金格差は、長期的に見ると縮小傾向にありますが、他の先進国と比較すると依然として大きい状況にあります。

OECD(経済協力開発機構)から公表されている最新のデータ(2022年8月17日時点)によると、男女の賃金格差の程度について、OECDに加盟している先進国38か国の平均値は11.7ポイント(男性の賃金の中央値を100とすると、女性は88.3)でしたが、日本の数値は22.1ポイント(男性の賃金の中央値を100とすると、女性は77.9)であり、韓国、イスラエル、ラトビアに次いで大きい数値となっています。

男女賃金の差異を公表義務化することは、企業がその原因を認識し、課題を解決するための最初の一歩となり、格差是正の取り組みへとつながることが期待されています。


【改正の具体的内容】

労働者が301人以上の会社は、これまでも以下の表の①~⑧の項目から1項目を選択し、情報公表する必要がありました。

しかし今後はこれに加えて、⑨男女の賃金の差異を新たに公表する義務が課されることとなりました。つまり、今後は2項目の公表が必須となります。

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【公表方法】

「男女の賃金の差異」は、男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均を割合(パーセント)で示します。また「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」の区分での公表が求められています。

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上記のイメージは必要最低限での公表形式を記載したものですが、厚生労働省は必要に応じて、自社の実情を正しく理解してもらうために、上記以外の情報も追加的に公表していくことを検討するように進言しています。


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令和4年7月8日の施行に伴い、初回「男女賃金の差異」の情報公表は、施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表する必要があります。

例えば事業年度が4月~3月の会社の場合、令和5年3月末に事業年度が終了となるため、
令和5年6月末までに令和4年度分の情報(男女賃金差異を含む)を公表する必要があります。




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(執筆者:中西)

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