お役立ちコラム

債権譲渡に係る消費税の取扱い

早期資金調達および回収の効率化を目的として債権譲渡を行いました。会計処理や税務上で何か注意すべきことはありますか?

消費税の取扱いに注意が必要です。以下、簡単にご説明いたします。

 

まずは仕訳の確認となります。債権の帳簿価額と譲渡対価の差額は、債権譲渡手数料(または債権譲渡損)として費用計上されます。

 

現 金 預 金

9,800

債   権

10,000

債権譲渡手数料

200

 

 

 

(1) 債権譲渡手数料の消費税区分

金銭債権の譲受けとして、クレジット手数料同様に非課税取引に該当します。したがって、費用計上される債権譲渡手数料は非課税仕入となります。

 

(2) 課税売上割合の計算

金銭債権の譲渡は有価証券等の譲渡として非課税取引に該当するため、その譲渡対価は課税売上割合の計算に影響を与えます。ただし、譲渡債権の性質により、その計算の取扱いは以下のように異なります。

① 売上等の対価として取得した売掛金を譲渡した場合

課税売上割合の分母に算入する金銭債権の譲渡は、「資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権」は除くこととされています。したがって、この場合には、課税売上割合の計算には一切影響を与えません。

 

② 他社から譲り受けた売掛金を譲渡した場合

いわゆる再ファクタリングの場合には、①の資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権には該当しないため、分母に譲渡対価が算入されますが、有価証券等の譲渡対価として5%相当額だけが算入されます。

 

③ 貸付金を譲渡した場合

②と同様の取扱いとなり、有価証券等の譲渡対価として5%相当額だけが算入されます。

 

実務上においては、そもそも消費税がかかっていないために②・③の場合に非課税売上が発生しているということを見落としがちになります。上記のように課税売上割合の計算に影響を与えるため、固定資産の売却時の処理と同様に、売却勘定等を用いて会計システム上で非課税売上を認識させるのを忘れないようにしましょう。

 

現 金 預 金

9,800

債   権

10,000

債権譲渡手数料

200

 

 

債権売却収入(対象外)

9,800

債権売却収入(非課税)

9,800

 

 

国税庁HP 課税売上割合の計算方法について

http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6405.htm

国税庁HP タックスアンサー 消費税 No.6201非課税となる取引

https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6201.htm

 

執筆者:水野

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