お役立ちコラム
副業導入時のポイント ~労働時間通算の原則的な方法~
今回は副業兼業における労働時間通算についての原則的な方法についてお伝えいたします。
基本的事項は次のとおりです。
- 使用者は、自らの事業場における労働時間制度を基に、自らの事業場における労働時間と、労働者からの申告等により把握した他の使用者の事業場における労働時間とを通算します。
- 通算の結果、1週40時間、1日8時間を超える労働(法定外労働)に該当する場合、36 協定による労働時間の延長や、割増賃金の支払いが必要です 。
労働時間の通算は、原則的には以下の手順で行います。
手順①:所定労働時間の通算
⇒ 先に契約をした方から、後に契約をした方の順に通算
手順②:所定外労働時間の通算
⇒ 実際に所定外労働が行われる順に通算
使用者A⇒先契約・先労働、使用者B(副業・兼業先) 後契約・後労働とした場合の、労働時間通算について、具体的事例は以下のとおりです。
※いずれの事例でも、使用者A、Bともに法定労働時間を1週40時間とします。
また、各々の使用者は、通算して時間外労働となる時間(他の使用者の事業場における労働時間を含む。)によって、時間外労働と休日労働の合計で単月100時間未満、複数月平均80時間以内の要件(労基法第36条第6項第2号及び第3号)を遵守するよう、1か月単位で労働時間を通算管理する必要があります。
時間外労働の割増賃金の率については、自らの事業場における就業規則等で定められた率(2割5分以上の率。ただし、所定外労働の発生順によって所定外労働時間を通算して、自らの事業場の労働時間制度における法定労働時間を超える部分が1か月について60時間を超えた場合には、その超えた時間の労働のうち自ら労働させた時間については、5割以上の率。)となることに注意してください。(労基法第37条第1項)
【参考】
副業・兼業における労働時間の通算について(労働時間通算の原則的な方法)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001079959.pdf
★お役立ち情報満載のCSアカウンティングYoutubeはこちら
★定期的に情報を発信しているCSアカウンティングのX(旧Twitter)はこちら
CSアカウンティングの人事・労務・社会保険サービスは、勤怠管理・給与計算・社会保険を一元化することにより、本来従事すべきコア業務へのシフトをお手伝いいたします。
また、アウトソーシングによるコスト削減のみならず、社会保険労務士などの経験豊富な専門家がお客様のよき相談相手となり、人事・労務に関する問題をスピーディーに解決します。
ご相談はこちら⇒https://business.form-mailer.jp/fms/c543034e81511
(執筆者:坂田)
関連コラム
- 副業導入時のポイント ~フレックスタイム制(清算期間1カ月以内)における労働時間通算~
- 今回は自社がフレックスタイム制を導入している場合の副業・兼業時の労働時間の通算についてお伝えいたします。フレックスタイム制を導入している事業場(A事業場)においてフレックスタイム制で労働している労働者が、新たに別の事業場(B事業場)において…
- 副業導入時のポイント ~簡便な労働時間管理の方法~
- 前回のコラムにて労働時間通算についての原則的な方法をお伝えいたしましたが、自らの事業場及び他の使用者の事業場の双方で所定外労働がある場合等においては、労働時間の申告等や通算管理において、労使双方に手続上の負担が伴うことが考えられます。そのた…
- 副業導入時のポイント ~労働時間の通算~
- 2021年10月のコラム(https://www.cs-acctg.com/column/jinji_romu/53943.html)にて、会社側は副業の導入に当たり、下記の対応が必要になるとお伝えしました。1. 副業、兼業を認める方向にて…
- くるみん認定 えるぼし認定 ユースエール認定
- 人材の確保、定着に苦労しているという声をよく聞きます。退職者が続き、新規採用も芳しくなく、人手不足により従業員の業務負担が増えていくという悪循環。労働力人口が毎年50万人ずつ減少していくという試算もある中で、企業の求める人材の要件は高度化…
- 障害者法定雇用率の段階的な引き上げが始まります
- 令和5年度においては2.3%で据え置かれていましたが、令和6年4月から2.5%、令和8年7月から2.7%と段階的に引き上げる決定がなされています。『参考:障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について(厚生労働省)』これまで雇用義務のなかっ…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。