お役立ちコラム

育児・介護休業法が改正されます

令和6年5月に育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法が改正されました。

今回の改正は令和741日から段階的に施行されます。

  1. 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
  2. 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化
  3. 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

本コラムでは「1.子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充」について概要をまとめたいと思います。

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柔軟な働き方を実現するための措置


3歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者に関して、柔軟な働き方を実現するための措置として、事業主は下記の中から2以上の制度を選択して措置を講じ、その措置を労働者が選択して利用できることを義務付けました。

措置を講じるにあたっては、事業主が職場のニーズを把握する必要があります。

  • 始業時刻等の変更
  • テレワーク等(10/月)
  • 保育施設の設置運営等
  • 新たな休暇の付与(10日/年)
  • 短時間勤務制度

所定外労働の制限(残業免除)の対象労働者の範囲の変更


現行:3歳になるまでの子

改正後:小学校就学前の子

子の看護休暇の名称、取得事由、対象範囲の変更


名称変更・・・子の看護休暇(現行は子の看護休暇)

取得事由・・・子の行事参加や感染症に伴う学級閉鎖等なども取得対象に

対象範囲・・・小学校3年生までへ拡大(現行は小学校就学前)

除外事由の一部廃止・・・勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みが廃止

テレワーク


3歳になるまでの子を養育する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加することが求められます。

また、短時間勤務が困難な業務に従事する労働者を短時間勤務から適用除外する(労使協定により)場合の代替措置に、テレワークも追加されました。

個別の意向の聴取や配慮の義務付け


労働者の個別の意向の聴取と意向の配慮・・・妊娠・出産の申出時、子が3歳になる前に実施

各家庭の状況により、仕事と育児の両立が困難となることにより離職することを防ぐ観点から、労働者の意向を徴収し、意向を確認した後は、自社の状況に応じて配慮をしなければなりません。

「柔軟な働き方を実現するための措置」の個別周知・意向確認:3歳になるまでの適切な時期に実施

事業主は、労働者に対して制度等の周知と利用の意向を確認するために面談等の措置を講じる必要があります。

今回改正されるに育児・介護休業法により、ますます柔軟な働き方の選択ができるようになります。

仕事と育児の両立は難しい課題ですが、働き方の選択肢が広がることで労働者の離職を防ぐことにも繋がるかもしれません。


【参考】

厚生労働省 令和6年改正法の概要
厚生労働省 リーフレット「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法 改正のポイント」


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(執筆者:日高)

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