お役立ちコラム
給与のデジタル払い解禁に備えて会社に必要な準備とは?
厚生労働省は令和4年11月28日、給与のデジタル払い(資金移動業者の口座への賃金支払い)を可能とする「労働基準法施行規則の一部を改正する省令」を公布しました。
給与の振込先が拡大されるのは25年ぶりで、企業は、労使協定を締結したうえで労働者から同意を得れば、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払い(賃金のデジタル払い)ができるようになります。弊社では、以前にコラムやYoutubeにて、給与のデジタル払いを導入した際の労使双方のメリット・デメリットをご紹介いたしました。以下にURLを記載いたしますので、ご興味ある方はご覧いただけますと幸いです。
お役立ちコラム:『給与のデジタル払い』解禁で何が変わるのでしょうか?
https://www.cs-acctg.com/column/jinji_romu/53926.html
Youtube:【しのびちゃん解説】給与デジタル払いの要点をまとめて解説します!
https://www.youtube.com/watch?v=aWTSEjSMp7k
今回のコラムでは、給与のデジタル払いを導入するうえで会社側が必要な準備について解説いたします。
給与のデジタル払いを開始するために、事業場で必要な手続きとは
事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合と、ない場合は労働者の過半数を代表する者と、賃金デジタル払いの対象となる労働者の範囲や取扱指定資金移動業者の範囲等を記載した労使協定を締結する必要があります。
その上で、賃金のデジタル払いを希望する個々の労働者は、留意事項等の説明受け、制度を理解した上で、同意書に賃金のデジタル払いで受け取る賃金額や、資金移動業者口座番号、代替口座情報等を記載して、使用者に提出することが必要になります。
その際に用いられる様式例を通達の別紙で提示しています。
【厚生労働省「資金移動業者口座への賃金支払に関する同意書」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001017091.pdf
※従業員との同意が取れた後は、実際の給与計算準備、給与振込等にて、既存の給与システムが給与デジタル払いに対応しているか否か、その連携面の確認が必要です。
賃金のデジタル払いは必ず実施しなければならないのでしょうか。引き続き、銀行口座等で受け取ることができなくなるのでしょうか。
賃金のデジタル払いは、賃金の支払・受取の選択肢の1つです。
労働者が希望しない場合は賃金のデジタル払いを選択する必要はなく、これまでどおり銀行口座等で賃金を受け取ることができます。また、使用者は希望しない労働者に強制してはいけません。
賃金の一部を資金移動業者口座で受け取り、残りを銀行口座等で受け取ることも可能です。
※参考:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について
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(執筆者:中西)
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