お役立ちコラム
【労働者数101人以上の企業は新たな義務対象に】女性活躍推進法の改正を解説します!

令和元年5月29日、女性活躍推進法等の一部を改正する法律が成立し、
令和元年6月5日に公布されました。
その改正内容のひとつに「一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大」があります。
これは女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出義務、及び自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象について、従来は常時雇用する労働者が301人以上の事業主が対象でしたが、
令和4年4月1日施行からは101人以上の事業主に拡大されます。
つまり101人〜300人の労働者を抱える企業は、この法律における新たな義務対象となってしまうのです。内容について詳しく解説してきます。
≪チェック!≫
ここでいう「常時雇用する労働者」とは、以下のいずれかに該当する労働者を指します。
- 期間の定めなく雇用されている
- 期間雇用者で、1年以上引き続き雇用されている、または雇入れから1年以上引き続き雇用されると見込まれる
【女性活躍推進法とは?】
女性活躍推進法とは、女性が職業生活の中で活躍できる環境づくりを推進するための法律です。
就業を希望しながらも出産や育児を理由に離職する女性が多い、また継続的な就業が困難なことを理由に女性の昇格が進まなかったという背景が日本企業には長い間存在しました。
このような状況に対し、本法律では、
- 女性に対する採用、昇進等の機会の不平等を解消しよう!
- 職業生活と家庭生活(出産、育児、介護)との両立を図るために必要な環境の整備を行おう!女性にも長く働いてもらおう!
- 女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思を尊重しよう!
これらの達成を目的としています。
【法律の概要】
主な内容は下記5点です。
① 自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析
② 状況把握・課題分析を踏まえた行動計画の策定・届出・公表
③ 女性の活躍に関する情報公表
④ 認定制度(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)
⑤ 履行確保措置
(→企業側の対応状況により厚生労働大臣(都道府県労働局長)は報告徴収・助言指導・勧告を行うことができる。)
①②③について、令和4年4月1日施行からは常時雇用する労働者が101人以上の事業主に義務対象が拡大されます。
①②③の具体的な対応フローは下記のとおりとなります。厚生労働省ホームページ「女性活躍推進法特集ページ」より抜粋しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

※今回の法改正では「常時雇用する労働者が301人以上の事業主については、
情報公表項目の一部追加」「特例認定制度(プラチナえるぼし)の創設」もあります。
≪チェック!≫
「えるぼし」と「くるみん」が似たような平仮名4文字で混同しがちですが、下記のような違いがあります。
えるぼし
管理職における女性比率など、一定の基準から女性の活躍を推進していると認められる企業に対する認定マーク
くるみん
一定の基準から子育てをサポートしていると認められる企業に対する認定マーク
【今後に向けて】
今回の法改正により、計画策定・提出等の対象義務者が広がったため、その対応に追われる企業も少なくないでしょう。
しかし、そのきっかけは法改正かもしれませんが、女性の働きやすい職場環境づくりは企業にも大きなメリットを及ぼします。
採用の段階で、就業環境がきちんと整備されている企業のほうが選ばれやすい傾向にあります。
実際に環境を整えた中小企業においては女性からの応募が増えているようです。
また、従業員一人あたりの勤続年数が伸びることにより定着率も向上し、人材確保が可能となるため人材不足の課題も解消されます。
女性の出世の道筋がしっかりとれ示され、従業員に周知することは、社員の成長やモチベーション向上にも繋がります。
ひいては従業員満足度も向上し、活気のある職場づくりが達成されるでしょう。
下記は中小企業における女性活躍推進の取組のための好事例集および改善取組事例集であり、この中にもたくさんの好事例が書かれています。
こちらを参考に、ぜひ中小企業のみなさまも対応していきたいところです。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000487084.pdf
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(執筆者:中西)
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