お役立ちコラム

CSA社労士雑記 ~長時間労働について考えてみよう(1)~


 

今回は、長時間労働について考えていこうと思いますが、

 

そもそも、働く時間は何時間まで大丈夫で、何時間以上であるとNGであるのか。

 

本来、休日に出勤しても問題はないのか。

 

36協定というものがニュースで話題になることがあるが、

どのようなものであるのか。

 

その他諸々とありますが、

 

雇用されている皆さんは、ご自身の労働時間について、

立ち止まって考えたことはありますでしょうか。

 

深夜までの労働、休日出勤は当たり前、

企業戦士としての美しい姿であるとすら思っていた時代から、

ようやく長時間労働は問題視されるようになってきました。

 

世の中は変わりつつあります。

国も“働き方改革”を打ち出して、長時間労働の是正を求めてきています。

 

社会に取り残されないためにも、

私たちは自分で判断できるようにならなければなりません・・・・が、

 

労働時間にまつわる基礎知識が不足していると、

自分の働く環境が適正なものであるのか否か、的確に判断することができない、

 

と個人的には考えます。

 

でも、労働時間について調べるといっても、興味もなければ、なかなか大変・・・・

だと思うのです。

 

というわけで、

微力ながら人事労務の専門家として、

 

労働時間についてのポイントを解説させていただきます。

 

 

<労働時間の考え方について>

 

よく話にでるのは、

“法定労働時間”“所定労働時間”

ですね。

 

この違いがよく理解できていない方は、意外に多いと思っています。

 

というもの、労務相談をさせていただく中で、

”法定労働時間“”所定労働時間“

をごちゃ混ぜにしてお話を聞くケースが多いから。

 

ですからまずは、“法定労働時間と“所定労働時間の違い”から

ご説明をしていきましょう。

 

 

法定労働時間は簡単です。

 

労働基準法第32条

(1)使用者は労働者に、休憩時間を除き“1週間”について“40時間”を超えて労働させてはならない。

(2)使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き“1日”について“8時間”を超えて、労働させてはならない。

 

この基準を “法定労働時間”といいます。

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※なお、労働基準法は、民法の特別法という位置づけです。

民法でも労基法と重複する部分があるのですが、その場合は労働基準法の定めを優先するという特殊性を持っています。

因みに、労働基準法は、昭和22年9月1日に施行されました。

昭和22年は、学校給食が開始されたり、箱根駅伝が復活したり、その他、最高裁判所設置、日本国憲法の施行等々、

昭和20年の終戦後、新しい日本が始動し始めた時期で、その中の一つが労働基準法ということですね。

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つまり、1日働くことができるのは、8時間まで、

さらに、1週間で働くことができるのは、合計40時間まで

 

ということです。

 

多くの会社では、1日8時間労働としていることが多いと思いますが、

週5日勤務ですと、

 

8時間×5日間=40時間

 

これで、法律が定める制限ぎりぎりいっぱいです。

 

他方、所定労働時間とは何か。

 

例えば、

“朝9時00分に始業して17時00分で終わりのチャイムが鳴る場合”、

 

これは1日、7時間の労働時間となります。

 

“8時間じゃあないの?”

 

ではありません。

お昼に1時間休憩を取るわけですから、7時間というわけですね。

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※因みに、この1時間という基準も、労働基準法第34条で定めがあります。

・労働時間が8時間を超える場合、少なくとも1時間休憩が必要

・労働時間が6時間を超える場合、少なくとも45分休憩が必要

・労働時間が6時間未満である場合は休憩不要

つまり、上記例示の1時間休憩は、“法律基準以上の時間を与えている”ということになります。

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この7時間という時間が、“所定労働時間”になります。

法律で定められた範囲内で、会社が決めた時間ということですね。

 

たとえば、月曜日から金曜日まで、

残業なく1日7時間、計35時間働いたとします。

 

でも、金曜日までにお仕事が終わらなくて、

土曜日に出勤した。

 

この場合は、金曜日までの間で40時間を超えていませんね。

 

40時間 ― 35時間 = 5時間

 

ということで、差分の5時間、

土曜日に働いても適法ということなります。

 

つまり、残業時間の違法性を考えるときには、

 

残業時間数を、7時間超でカウントするのではなく、

8時間を超えたところから考える必要があるということ。

 

これは勘違いをしていることが多いので、覚えておくとよいと思います。

 

さて、上記にて“違法性”と申しましたように、

法定労働時間という基準を、私たちは超えることが出来ません。

 

法定労働時間を超過すれば法律違反。

 

労働基準法では、

“罰則として、6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金”

 

という罰則を設けています。

 

労働刑法の性質を持つ労働基準法。

 

その基準を履行させるため、罰則を設けて私たちを監視し、

その本気度がうかがえます・・・・が、

 

でも、世の中の会社って、遅くまで電気がついていると思いませんか?

多くの企業において、1日8時間オーバーの労働をしていることは明らかです。

 

また、月曜から金曜まで1日8時間働いて、

どうしても仕事が終わらなくて、

土曜日に出てきて仕事をした、ということも、ありふれた日常でしょう。

 

月曜日から土曜日まで働くとすれば、

週6日勤務の計算となるはずなので、週48時間。

 

週40時間超で、こちらも本当はダメですね。

 

違法なのに、会社はなぜ残業をさせることができているのか、

なぜ、国は違法な会社を取り締まらずに、そのまま許しているのか、

 

次回からは、その問題点についてのお話です。

CSA社労士雑記~長時間労働について考えてみよう(2)~に続く)

 

関連ページ:

 

執筆者:立山

(c)123RF

 

 

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