お役立ちコラム

会社の花粉症対策とは?

従業員から、花粉症がひどく業務に支障があるので会社で花粉症対策をしてほしいとの申し出がありました。会社として花粉症対策を講じなければなりませんか?

労働契約法第5条は、「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と「安全配慮義務」を定めており、会社には労働者が快適に安心して働けるよう配慮する義務があります。労働契約法には罰則はありませんが、会社が安全配慮義務を怠った場合、労働者から損害賠償請求される可能性もあります。花粉症ではない人にとってはたかが花粉症と思われるかもしれませんが、労働者が業務への支障を訴えている以上、会社で何らかの対策を講じることが望ましいでしょう。

では、会社としてどのような対策ができるのでしょうか。組織としてできる対策としては、「花粉を会社に蔓延させない」ことが主な対策になります。具体的には、「会社に入る前に上着等についた花粉をはらう」、「窓は開けない」、「空気清浄器を導入し、フィルターの清掃を欠かさない」などが挙げられます。ただし、これらは花粉症ではない労働者にも協力してもらう必要がありますので、理解を求めるための周知活動も必要です。他に「花粉症グッズの配布」や「花粉症対策の医療費一部負担」なども検討の余地はあります。

しかし、いずれにしても花粉症である労働者本人には、個人としてできる限りの花粉症対策をしてもらいましょう。

年々花粉症患者は増えていますので、快適な職場環境をつくるために社内で議論してみてはいかがでしょうか。

 

執筆者:宮本

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