お役立ちコラム

年の途中で定年退職する人の年末調整をして差支えありませんか?

年の途中で定年退職する社員の年末調整をして差支えありませんか?

本年9月30日に定年退職する予定になっている社員が、再就職先が決まっていないことから、今後雇用保険の失業等給付(非課税)を受ける予定です。

再就職が決まっていないことから、在職中の給与について年末調整を本人が希望しているのですが、年末調整を行ってもよいのでしょうか。

A. 年の中途で退職した人については、一定の場合を除き年末調整の対象とはなりません。

年の中途で退職した人のうち年末調整の対象となるのは次の通りです。今回の問いの場合は、いずれにも該当しませんので、在職中の給与について年末調整を行うことはできません。

①死亡により退職した人

②著しい心身障害のために退職した人で、その退職の時期から本年中に再就職が不可能と認められ、かつ、退職後本年中に給与の支払を受けないこととなっている人

③12月に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人

④いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる人を除く)

 

参考文献 

国税庁パンフレット「平成29年分 年末調整のしかた」96ページ

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2017/pdf/96-97.pdf

 

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