お役立ちコラム

通勤手当の返金について

通勤手当を支払っている従業員が、自転車通勤をしていることが分かりました。通勤手当は必ず支払わなければならないものと考えておりましたが、支払いは不要でしょうか。また、支払いが不要とであれば、自転車通勤をしていた者に対して、過去に支払った通勤手当の返金を求めることは可能でしょうか。

“通勤手当は支払わなければならない”、といった決まりが、法律に明記されているわけではありませんので、

通勤手当は必ず支払わなければならないものではありませんが、

就業規則や給与規程に明記している場合は、支給をしないことは違法となります。

では、通勤手当を支払っているのにもかかわらず、自転車通勤をしていたり、徒歩で通勤をしているような従業員に対して、通勤費を支払う必要はあるのでしょうか。

例えば、就業規則や給与規定に

“通勤費相当分を毎月支払う”、といったような記載だけあり、会社に対して通勤手当の申請などを行っていないような場合では、給与の一部とみなされる可能性が高いので、自転車や徒歩で通勤していたとしても、通勤手当相当分の支払いは必要となります。

一方で、通勤経路を会社に申請した者に対し、合理的な方法とルートで算出された通勤手当を支払う、などといった記載があれば、自転車通勤をしていた従業員へ返金を求めることは可能となります。

過失ではなく、特に悪質であると考えられるような場合では、詐欺罪にも該当する行為となる可能性もあり、懲戒処分の適用を検討することも考えられます。

執筆者:立山

 

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