お役立ちコラム

海外派遣と海外出張の労災保険上の違いについて

海外派遣と海外出張の労災保険上の違いについて教えて下さい。

海外での業務が「海外出張」として取り扱われる場合には国内での災害と同様に労災保険給付を受けることができますが、「海外派遣」とみなされる場合には、海外派遣者として特別加入をしていなければ労災保険給付を受けることができません。

ではこの違いはどの様に判断されるのでしょうか?

海外「出張」に当たるか海外「派遣」に当たるのかは、海外における勤務期間の長短によって判断されるのではなく、その労働者の海外における労働関係によって判断されます。したがって、例え海外での勤務が長期にわたる場合でも、国内の事業場の指揮命令に従って業務に従事している場合には海外出張となりますし、海外の事業場に所属して、その事業場の指揮命令に従って業務を行う場合などは、海外派遣とみなされることになります。指揮命令の所在が重要という事になります。

2016年4月27日、東京高裁にて、労基署による労災保険給付不支給判断が覆る判決が有りました。

もし、派遣の仕方が出張として扱われるかどうかについて判然としない場合があれば、あらかじめ管轄の労働基準監督署へご確認頂く事をお勧め致します。

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