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特殊健康診断が時間外に及んだ場合、時間外手当は支給しなければなりませんか?

じん肺業務に従事する従業員に対して特殊健診を受診させていますが、受診時間が時間外にまで及びました。この場合の時間外手当は支給しなければなりませんか?

特殊健康診断が時間外に及んだ場合は、割増賃金を支払わなければなりません。「特殊健康診断」の実施に要する時間は労働時間とされ、必然的に賃金の支払い義務が発生します。

労働安全衛生法に掲げられている特定の有害な業務を対象とした特殊健康診断は特定の労働者が業務を遂行することにより、発生し得る障害等を予防することを主目的としていますので、所定労働時間内に行う必要があります。



一方で特定有害業務以外に従事する一般労働者の「定期健康診断」は、1年以内に1回定期的に行わなければならないとされてはいるものの、健康増進が目的で業務遂行との関連はないため、その受診時間は労働時間とはみなされず、必ずしも賃金の支払いが義務づけられているものではありません。



しかしながら、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営に不可欠であるため、その受診中の賃金については会社で負担することが望ましいと考えられています。



(※特殊健康診断対象業務→じん肺業務、有期溶剤業務、鉛業務、電離放射線業務、特定化学物質業務、高気圧作業業務、四アルキル鉛業務)

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