お役立ちコラム
賞与を現物支給する際の留意点について
-
業績悪化につき、賞与を自社製品などの現物で支給したいのですが、留意点はありますか?
-
就業規則などで賞与の支給条件が明確にされている場合、現物で支給するには労働協約の締結が必要となります。 この場合の賞与は賃金にあたると解されており、労働基準法24条は原則、通貨での支払を明記しています。
しかしながら、支給条件が明確にされている場合においても、同条但し書きにおいて「法令もしくは労働協約に別段の定めがある場合」には通貨以外の現物で支給することを例外的に認めています。よって、労働協約を締結した場合には現物支給が可能となります。ただし、この場合の労働協約とは労使協定と異なり、労働組合との間における取決めとなるため、結果的に労働組合がない会社については、現物での支給はできないことになります。
また、現物支給される賞与について、通貨に評価すれば幾らの金額になるのかという評価額を予め労働協約の中で定めなければいけない事とされており、また源泉所得税がかかりますので、徴収・申告漏れがないよう留意することも必要です。
関連コラム
- ここが変わった!労働保険年度更新 申告書の書き方
- 今年も労働保険料の申告時期がやってきました。お手元に届いた申告書を見て、あれ?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。令和4年度は雇用保険料率が年度途中で変更されることにより、概算保険料の記入の仕方が変わっているのです。具体的にどのように…
- 兼業・副業と社会保険手続き
- 目次 p; Q1.兼業・副業に興味があるのですが、私も兼業・副業出来るのでしょうか? Q2.兼業・副業で2カ所以上の会社で勤務する場合、2ヶ所以上で健康保険の加入手続きを行うのですか? Q3.そもそも、社会保険の加入条件は何でしょ…
- CSA社労士雑記 ~正しい賃金の話をしよう(3)~
- p; 前回に引き続き、賃金のお話をもう少し。 p; まず、給与の大まかな計算方法ですが、 p; “給与支給額 - 控除額 = 銀行振込額” p; となります。 p; 皆さん…
- CSA社労士雑記 ~正しい賃金の話をしよう(2)~
- p; 前回のお話で、少しだけ触れましたが、 “賃金支払い5原則”というルールがあります。 p; 賃金は、 “通貨” で “直接労働者” に &ld…
- 通勤手当の返金について
- 通勤手当を支払っている従業員が、自転車通勤をしていることが分かりました。通勤手当は必ず支払わなければならないものと考えておりましたが、支払いは不要でしょうか。また、支払いが不要とであれば、自転車通勤をしていた者に対して、過去に支払った通勤…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。