お役立ちコラム
固定資産と減価償却
はじめに
会計処理を行う中で、資産計上すべきなのか費用計上でよいのか悩んでしまうことがあるかと思います。
そこで今回は資産計上の基準と減価償却について概要をご説明させて頂きます。

減価償却費用
1.固定資産として計上すべきものとは?
貸借対照表に資産として計上すべきものとは、一定の金額以上で1年以上使うものです。
金額の基準は会社によって多少異なりますが、一般的には10万円以上のものは資産計上することとされています。
※10万円という基準は、法人税法上固定資産として計上する際の基準値として設けられている金額です。
2.減価償却資産とは?
有形固定資産の中には時の経過によって価値が減少していく「減価償却資産」と価値が減少しない「非償却資産」があります。
(例)減価償却資産:機械、建物、自動車など
非償却資産:土地、骨董品など
減価償却資産については使用する都度、資産としての価値が落ちていきますので、毎期その価値を一定のルールで費用計上します。これが「減価償却」です。
3.減価償却費の計算方法
減価償却費の計算方法として定額法と定率法があります。
(1)定額法
購入した資産の金額を使用期間により按分し、毎年一定金額を減価償却する方法です。
定額法の償却費=取得原価×定額法の償却率
★現行では、建物・建物附属設備・構築物については定額法のみの選択です。
(2)定率法
固定資産の耐用年数の期間中に、毎期期首の未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する方法です。
定額法が毎期一定額の減価償却費が計上されるのに対し、定率法では固定資産取得の初期ほど多くの減価償却費が計上され、年々減少していきます。
4.減損処理とは?
保有している固定資産に関して、購入した効果が期待できないと見込まれた場合は、固定資産の価値を引き下げる「減損」という手続きを行うことになります。
【減損処理の手続】
- 対象の固定資産について、減損の兆候があるかを確認。
- 1により兆候があると識別された資産の将来キャッシュフローと帳簿価額を比較して、帳簿価格を下回る場合は、減損の認識が必要と判断する。
- 帳簿価格と回収可能価額を比較して、帳簿価額が高い場合には、回収可能価額まで帳簿価額を切り下げます。
上記の手続の結果、減損処理をすることになる場合は、PLに「減損損失(特別損失)」を計上することとなります。
おわりに
月次の会計チェックの際に、消耗品などの科目に10万円以上のものが計上されている場合は、資産に該当しないかを確認していくとよいでしょう。
執筆者:黒川
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