お役立ちコラム

土地を売却すると消費税の納税額が増える?

当社は当課税期間に所有していた固定資産である土地を譲渡しました。当期の決算に先立ち、税理士事務所の担当者に消費税の納付額のシミュレーションを依頼したところ、当課税期間の課税売上割合は70%程度になると見込まれるため、個別対応方式で計算した場合は、仕入税額控除ができない金額が多額に発生してしまうとのことでした。

 当社の例年の課税売上割合は99%前後で安定しており、これまで仕入税額控除ができない金額はほとんどありませんでしたが、今回のようにたまたま土地の譲渡をしてしまい、課税売上割合が一時的に下がってしまう場合は、土地の譲渡がなければ控除できていたはずの金額はあきらめるしかないのでしょうか。

お問い合わせのケースのように、土地の譲渡が単発のものである場合には、一定の要件を満たせば「課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出して、その課税期間の末日までに承認を受けることで、「課税売上割合に準ずる割合」として例年とほぼ同様の課税売上割合で申告することが可能になります。

「課税売上割合に準ずる割合」は、次の①又は②の割合のいずれか低い割合により計算することができます。

①土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合

②土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

 

課税売上割合に準ずる割合については、適用を受けようとする課税期間が終わる前に税務署長から承認を受ける必要があるので、この承認を受けようとする場合には、できるだけ早めに申請書を提出して、承認をもらう必要があります。

 

国税庁 質疑応答事例 たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/17/07.htm

 

執筆者:石井

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