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消費税法上の開業日とは?新規開業した場合の課税事業者選択届出書の提出期限
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私は歯科医師ですが、個人で開業し歯科医院を運営することとなりました。開業してすぐは設備投資が多いため、消費税の還付を受けるべく課税事業者選択届出書を提出する予定です。
歯科診療業務に必要な材料や器具の購入は今年の8/1から開始しており、診療は来年の6/1に開始する予定ですが、届出書は、いつまでに提出する必要がありますか?
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課税事業者選択届出書の提出期限は、原則として、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までとなっています。しかし、適用を受けようとする課税期間が課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間である場合は、例外として、その課税期間中に提出すれば良いこととなっています。
したがって、ご質問の事例では、「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」がいつなのかが問題となります。法令には明確な規定がありませんが、国税不服審判所の裁決が参考になります。
平成29年6月16日裁決では、次の(1)~(3)を根拠に、新たに事業を行うに当たり必要な準備行為を行った日の属する課税期間は、「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当すると解するのが相当であるとしています。
(1)消費税法第9条第4項は、原則として、免税事業者となる者であっても、消費税課税事業者選択届出書を提出した場合には、その日の属する課税期間の翌課税期間から課税事業者となるものとしつつ、消費税課税事業者選択届出書を提出した日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間である場合には、当該課税期間の開始前に、同課税期間中の課税売上げ及び課税仕入れの発生等を予測し、当該課税期間において課税事業者となるかどうかの判断をして消費税課税事業者選択届出書を提出することが、必ずしも容易でないことに配慮し、例外として、新たに事業を開始した事業者に対して、当該事業を開始した日の属する課税期間から課税事業者となることを選択する機会を与えたものと解される。
(2)消費税法第9条第4項を受けて規定された消費税法施行令第20条第1号は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」と規定し「課税資産の譲渡等を開始した日」と規定していない。
(3)新たに事業を行うに当たっては当該事業を行うために必要な資産の取得契約の締結や商品及び材料の購入などの準備行為を行うのが通常である。
平成24年6月21日裁決でも同様の判断がされています。
これら二つの裁決に従えば、本事例の「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」は、準備行為に該当する「歯科診療業務に必要な材料や器具の購入」を開始した今年の8月1日となり、今年から課税事業者になるためには課税事業者選択届出書を今年中に提出する必要があります。
<参考文献等
国税庁HP 税務手続の案内 消費税課税事業者選択届出手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_01.htm
国税不服審判所HP 公表裁決事例要旨 課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日
http://www.kfs.go.jp/service/MP/05/0101010000.html
執筆者:内山
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