お役立ちコラム

高額特定資産、自己建設高額特定資産とは何ですか。

私は消費税を原則課税で計算しておりましたが、来年より簡易課税制度を選択しようと考えております。今年、高額特定資産を購入、又は自己建設高額特定資産に該当する建物を建設すると消費税の簡易課税制度の適用を受けられない可能性があると聞きましたが、高額特定資産、自己建設高額特定資産とはどのような資産をいうのでしょうか。

高額特定資産とは、一取引単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。

自己建設高額特定資産とは、他の者との契約に基づき、又はその事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として、自ら建設等をした高額特定資産をいいます。

これらは、平成28年度税制改正により施行された消費税法第12条4項の高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例に定められています。

この改正により、事業者が事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産の仕入れ等を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けることができなくなりました。

また、自己建設高額特定資産については、当該自己建設高額特定資産の建設等に要した仕入れ等の支払対価の額(事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間において行った原材料費及び経費に係るものに限り、消費税に相当する額を除きます。)の累計額が1,000万円以上となった日の属する課税期間の翌課税期間から、当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用ができません。

なお、これらの特例は、平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合に適用されます。

 

 

参考URL

国税庁HP タックスアンサー No.6502 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除等の特例

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6502.htm

 

執筆者:古橋

関連コラム

インボイス制度でETC料金の保存書類が増えます!
概要2023年10月1日より制度開始となる適格請求書等保存方式(以下、「インボイス制度」)について、自社が発行する請求書・領収書の書式が変わることやインボイス発行事業者になるための登録申請が必要といった情報は認知が進んでいますが「自社が受け…
法人税とは?対象となる法人や税率などの基礎知識を解説!
法人税とは?課税される法人の範囲法人税は、法人の事業によって得られた所得に対して課される税金です。法人と一言でいっても、法人の種類は様々で、法人の目的や特性により、法人税が課される法人と課されない法人に区分されます。法人税法における法人の区…
キャッシュ・フロー計算書作成時の落とし穴(消費税・建設仮勘定の扱いなど)
1.はじめに p; キャッシュ・フロー計算書とは、財務諸表のうちの1つであり、企業の一会計期間におけるキャッシュ・フロー(収入および支出)の状況を、営業活動、投資活動、財務活動の3つに区分して表示する計算書です。 損益計算書におけ…
販売奨励金を支払った場合の消費税
1.はじめに p; キックバックやリベートなど販売奨励金といった謝礼という内容の商慣習に対する消費税の取り扱いはどのようになっているのでしょうか。基本的な取り扱いから軽減税率との関連についても見ていきたいと思います。 p;…
金銭債権を対象とした取引に係る消費税の考え方
1.はじめに p; 有価証券や金銭債権を対象とした取引に係る消費税は、課税売上割合の計算上複雑になっています。これらを本業として取り扱っていない会社で売却等が発生した際に、課税売上割合の計算を間違えてしまうケースが多いようです。 …

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。