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消費税の課税期間を短縮する意義 メリットとデメリット

消費税の課税期間は1年間ではなく短縮する事も出来ると聞きましたが、具体的な内容について教えてください。

原則として消費税の課税期間は個人事業者であれば暦年、法人であれば事業年度となりますが、課税仕入れが発生し売上は輸出売上が中心のような場合には恒常的に還付が発生する事になります。通常、この還付金を受け取る事が出来るのは1年に1回の確定申告後のみとなりますが、課税期間特例選択・変更届出書を提出して課税期間の特例を受けて課税期間を1月又は3月に短縮する事により1年を待たずに早期に還付を受ける事が出来る為、資金繰りの面で有利となります。

他にも、課税期間特例選択・変更届出書と簡易課税制度選択届出書を組み合わせて提出する事により、簡易課税の適用を早期に開始出来る事、同じく課税事業者選択届出書を組み合わせて提出する事により、免税事業者が急な大型投資の還付を受ける事が出来るようになる等、各種届出の適用開始時期のメリットがあります。

一方、課税期間を短縮した場合は1月又は3月の課税期間毎に消費税の確定申告書を提出する必要がある為、事務負担は増えてしまいます。また、課税期間を短縮した場合2年間は継続適用となる点についても注意しなくてはいけません。

消費税の課税期間を短縮する場合は、メリットとデメリットの両面がある事を知った上で、慎重に検討する必要があります。

<参考>

国税庁タックスアンサー No.6137 課税期間

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6137.htm

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