お役立ちコラム

『償却資産税』家屋と償却資産とを区別する3つの基準

償却資産税について、建築設備のうち「家屋に含めて評価されるもの」と「償却資産として評価されるもの」とは、どのように区別すれば良いですか?

固定資産評価基準第2章第1節七(建築設備の評価)において、「家屋の所有者が所有する電気設備、ガス設備、給水設備、排水設備、衛生設備、冷暖房設備、空調設備、防災設備、運搬設備、清掃設備等の建築設備で、家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となって、家屋の効用を高めるものについては、家屋に含めて評価するものとする。」とされています。

すなわち、建築設備を家屋に含めて評価するためには、以下の3つの要件を全て満たす必要があります。

(1) 家屋の所有者が所有すること。

(2) 家屋に取り付けられ、家屋と構造上一体となっていること。

(3) 家屋の効用を高めるものであること。

 

 (2)の基準によれば、屋外に設置されている電気の配線及びガス・水道の配管等は、家屋に含まれず、償却資産となります。

 (3)は、当該建築設備を備えることによって、家屋自体の利便性が高まるものであることを意味します。そのため、特定の生産又は業務の用に供されるものは家屋の評価に含まれません。例えば、店舗のネオンサイン、冷蔵倉庫における冷凍設備、ホテルにおける厨房設備、洗濯設備等がこれに該当し、償却資産として評価されることとなります。

 

 <参考文献等>

償却資産実務研究会(2016)『平成28年度 固定資産税における償却資産の申告と実務』法令出版

 

関連コラム

収益認識基準が2022年3月より強制適用に!!
収益認識基準が2022年3月より強制適用に!!「収益認識に関する会計基準」が、大会社・上場会社において2021 年4月1 日以後開始する事業年度の期首から強制適用になります。(中小企業の適用は任意です)当該の収益認識基準に沿って会計処理を行…
令和4年度税制改正のポイント(グループ通算制度以外の法人課税)
【令和4年度税制改正のポイント】今回は、令和4年度税制改正のポイントの中で、グループ通算制度以外の法人課税に特化して次に掲げる項目について、みていきたいと思います。※グループ通算制度については、別途掲載を予定しています。 1-1.賃上げ促進…
収益認識に関する会計基準と工事契約
業会計基準委員会から、平成30年3月に『収益認識に関する会計基準』が公表され、令和3年4月1日以後開始する事業年度より強制適用となります。以前に、『収益認識に関する会計基準』によって収益認識がどのように構成されていくのかについてまとめました…
電子取引を電子データ保存する義務化は2年猶予で遠のいたか?
電子取引義務化は遠のいたのか?令和4年度(2022年度)税制改正大綱で2年間の猶予が決まる!電子取引を電子データとして保存する義務に向かっていたが・・・経理のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の現場において、今年は夏場から令和4…
法人税とは?対象となる法人や税率などの基礎知識を解説!
法人税とは?課税される法人の範囲法人税は、法人の事業によって得られた所得に対して課される税金です。法人と一言でいっても、法人の種類は様々で、法人の目的や特性により、法人税が課される法人と課されない法人に区分されます。法人税法における法人の区…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。