お役立ちコラム

家事用から業務用に転用した場合の課税仕入れの認識

私は、不動産業を営んでいる個人事業者です。前年に購入し家事用として使用していたパソコンを今年から業務用に転用することとしましたが、課税仕入れとして消費税の控除を受ける事ができるのでしょうか。

課税仕入れとして消費税の控除を受けることはできません。

業務用に購入した資産は課税仕入れとして消費税の控除を受けることが出来ます。ただし、今回のケースは購入時においては家事用として購入しておりますので、購入時においては業務用ではありません。課税仕入れを認識する日は、課税仕入れを行った日つまり購入した日となります。そのため、購入した日において家事用であったため、課税仕入れとして消費税の控除を受けることはできません。

 なお、今回のケースは家事用から業務用に転用しましたが、業務用から家事用に転用した場合については、課税仕入れに該当します。ただし、家事用に転用したことによりみなし譲渡の対象となり、一定の金額を資産の譲渡等の対価の額に含めなければなりません。

 

 <参考文献等>

国税庁HP 消費税法基本通達11-3-1 課税仕入れを行った日の意義

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/11/03.htm

 

国税庁HP タックスアンサー No.6317 個人事業者の自家消費の取扱い

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6317.htm

 

(掲載日:2017年10月4日)

関連コラム

インボイス制度でETC料金の保存書類が増えます!
概要2023年10月1日より制度開始となる適格請求書等保存方式(以下、「インボイス制度」)について、自社が発行する請求書・領収書の書式が変わることやインボイス発行事業者になるための登録申請が必要といった情報は認知が進んでいますが「自社が受け…
法人税とは?対象となる法人や税率などの基礎知識を解説!
法人税とは?課税される法人の範囲法人税は、法人の事業によって得られた所得に対して課される税金です。法人と一言でいっても、法人の種類は様々で、法人の目的や特性により、法人税が課される法人と課されない法人に区分されます。法人税法における法人の区…
キャッシュ・フロー計算書作成時の落とし穴(消費税・建設仮勘定の扱いなど)
1.はじめに p; キャッシュ・フロー計算書とは、財務諸表のうちの1つであり、企業の一会計期間におけるキャッシュ・フロー(収入および支出)の状況を、営業活動、投資活動、財務活動の3つに区分して表示する計算書です。 損益計算書におけ…
販売奨励金を支払った場合の消費税
1.はじめに p; キックバックやリベートなど販売奨励金といった謝礼という内容の商慣習に対する消費税の取り扱いはどのようになっているのでしょうか。基本的な取り扱いから軽減税率との関連についても見ていきたいと思います。 p;…
金銭債権を対象とした取引に係る消費税の考え方
1.はじめに p; 有価証券や金銭債権を対象とした取引に係る消費税は、課税売上割合の計算上複雑になっています。これらを本業として取り扱っていない会社で売却等が発生した際に、課税売上割合の計算を間違えてしまうケースが多いようです。 …

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。