お役立ちコラム

新年祈祷を行った際の祈祷料に消費税は含まれているのでしょうか?

商売繁盛や安全祈願など、会社として神社やお寺にお布施を納めたり、お守りを購入したりすることがあります。

「毎年年始には新年祈祷にいっています」「毎回神社のお祭りに寄付をしています」という話もよく耳にします。

お布施、祈祷料、初穂料、玉串料、御護摩、お祓い、お守り、お札、おみくじ、熊手、その他に神社の祭礼に対する寄付・・・など神社仏閣に支払うものは会社の経理をしていると案外登場してきます。

消費税が含まれているのか?含まれていないのか?経理経験のある方なら一度は判断に困ってしまったことがあるのではないでしょうか。

今回は神社仏閣にお金を納める、物品を購入する際の消費税についてご紹介します。

 

 

消費税の課税対象は?

 

まずは、消費税の課税対象となる取引について整理します。下記の4要件を満たしている取引が課税対象となります。

○ 国内で行われていること

○ 事業者が事業として行っていること

○ 対価を得て行われていること

○ 資産の譲渡、資産の貸付、役務提供のいずれかであること

 

まずは神社仏閣に対する寄付金について考えてみましょう。

消費税法において、寄付金の支出は本来見返りのない給付であり対価性を得て行われる取引ではないということで課税対象外となっています。対象が神社仏閣に限らず、一般的に寄付金は消費税の対象外です。

したがって神社の祭礼に対する寄付は、消費税の課税対象外となります。

(消費税タックスアンサーより)

 

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供(以下「資産の譲渡等」といいます。)が課税の対象となります。

したがって、次のような取引は、課税の対象となりません。

寄附金、祝金、見舞金、補助金等

・・・・一般的に対価として支払われるものではないからです

 

それでは祈祷料やお守りの購入はどうでしょうか。

祈祷してもらうということは役務提供を受けている、と考えるのか?お守りは物品の購入にあたるのか?

 

 

祈祷料に消費税はかかっているのか?

 

祈祷料は、宗教法人などが行う宗教活動に対する支出になります。

祈祷料、お布施、玉串料等の支払は、行為の対価としてではなく喜捨金、寄進といったものであり、対価性のない支払として判断されます。したがって消費税の対象外となります。同様の支出として、初穂料、御護摩、お祓いや地鎮祭などの謝礼が挙げられます。 

(消費税質疑応答事例より)

 

寺の住職がもらう「お布施」も課税の対象となるのでしょうか。

お布施、戒名料、玉串料等の葬儀、法要等に伴う収入は、宗教活動に伴う実質的な喜捨金と認識されているものですから、課税の対象とはなりません。

 

お守りに消費税はかかっているのか?

 

神社でお守りを購入した場合には、消費税は課税されていません。

消費税が課税される取引は前述の4要件を満たすことになりますが、この要件を鑑みると物品を受け取っているので一見課税されるように思います。しかし法人税法基本通達において次のように定められています。

(消基通15-1-10より)

宗教法人、学校法人等が行う物品の販売が令第5条第1項第1号《物品販売業》の物品販売業に該当するかどうかについては、次に掲げる場合には、それぞれ次による。(昭56年直法2-16「七」により改正)

宗教法人におけるお守り、お札、おみくじ等の販売のように、その売価と仕入原価との関係からみてその差額が通常の物品販売業における売買利潤ではなく実質は喜捨金と認められる場合のその販売は、物品販売業に該当しないものとする。

お守り、お札などお寺や神社から物品の引渡しを受けますので対価性があるとも取れますが、通常の物品販売業で利益と考えられる部分は喜捨金と判断したほうが相当であるため、「事業として行っている」および「対価を得て行われている」という点で課税要件は満たさず、課税対象外ということになります。

神社仏閣で購入したおみくじ、熊手、破魔矢も同様です。

 

ネットで買った熊手に消費税はかかっているのか?

 

最近ではインターネットでも熊手が販売されています。

神社やお寺が販売しているものではない、すなわち宗教法人が販売してない熊手などは一般の物品販売業と同等であり、消費税は課税となります。

したがってインターネットや露店など一般のお店が販売している熊手は消費税の課税対象となります。

 

神社仏閣で購入したお土産は消費税がかかっているのか?

神社やお寺で○○神社や△△寺など名前の入ったカレンダーやお菓子を販売してところも多くあります。

会社へのお土産にこれらを購入する場合もあるでしょう。一般の物品販売業でも販売でき、価格帯も同様の物品とほぼ同じであるようなものについては、神社仏閣で購入したとしても消費税の課税対象となります。

(消基通15-1-10ただし書きより)

ただし、宗教法人以外の者が、一般の物品販売業として販売できる性質を有するもの(例えば、絵葉書、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花等)をこれらの一般の物品販売業者とおおむね同様の価格で参詣人等に販売している場合のその販売は、物品販売業に該当する。

 

 

<参考文献等>

消費税タックスアンサー/課税の対象とならないもの

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6157.htm

 

質疑応答事例/消費税/お布施、戒名料、玉串料等

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/02/30.htm

 

法人税法基本通達15-1-10(宗教法人、学校法人等の物品販売)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/15/15_01_02.htm

 

執筆者:高木(佳)

 

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