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高年齢雇用安定法の改正で何が変わる?

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2021年4月1日より、高年齢者就業確保措置を事業主の努力義務とする「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正」が施工されます。ざっくり要約すると『70歳までの就業機会の確保が事業主の努力義務に』なります。

このように聞くと、定年を70歳まで引き上げなければならないのか、と不安になるかもしれませんが、必ずしもそのような対応が必要になるわけではありません。
一方で今回の措置自体は努力義務ではあるものの、過去を振り返ってみると、高年齢者雇用安定法で努力義務とされてきた制度のほとんどは後に義務化されています。
そのため、今回の措置も将来的な義務化を想定しておかなければなりません。

今回は改正高年法の内容を解説していきます。

(1)高年齢者就業確保措置の概要

まずは現行の『高年齢雇用確保措置』と、新設される『高年齢就業確保措置』について、その内容の違いを整理します。

上記の通り、措置内容①②③については対象年齢の違いはあるものの、その内容自体に大きな違いはないといって差し支えありません。
そのため、高年齢者雇用確保措置(現行)の時点で高年齢就業確保措置(新設)と同等か、それ以上の措置をすでに実施している場合、今回、改めて高年齢就業確保措置を実施する必要はありません。
雇用確保措置の段階で定年年齢を70歳まで引き上げていたり、定年そのものを廃止していた場合がこれに当たります。

(2)高年齢者就業確保措置の詳細

◆対象者の基準

高年齢者就業確保措置は努力義務のため、定年の延長および廃止以外の措置については、対象者を限定する基準を設けることが可能です。ただし、対象者基準を設ける場合には、次の事項に留意する必要があります。

・対象者基準の内容は、原則として労使に委ねられるものですが、事業主と過半数労働組合等との間で十分に協議した上で、過半数労働組合等の同意を得ることが望ましいこと。

・労使間で十分に協議の上で設けられた基準であっても、事業主が恣意的に高年齢者を排除しようとするなど法の趣旨や、他の労働関係法令・公序良俗に反するものは認められないこと。

 

◆70歳までの継続雇用制度

高年齢者雇用確保措置同様に、高年齢就業確保措置でも継続雇用制度を採用することが可能です。また65歳以降は、継続雇用することができる事業主の範囲が広がります。

・60歳以上65歳未満が対象:自社、特殊関係事業主

・65歳以上70歳未満が対象:自社、特殊関係事業主に加え、特殊関係事業主以外の他社

特殊関係事業主とは?

自社の①子法人等、②親法人等、③親法人等の子法人等、④関連法人等、⑤親法人等の関連法人等を指します。

(3)創業支援等措置について

「創業支援等措置」とは、70歳までの就業確保措置のうち、以下の雇用によらない措置を指します。

・70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

・70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

a. 事業主が自ら実施する社会貢献事業

b. 事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

なお創業支援等措置を実施するには実施計画について過半数労働組合等の同意を得るなど、諸手続きが必要となります。

(4)措置を講じない場合の行政の対応

改正高年齢者雇用安定法では、70歳までの安定した就業機会の確保のため必要があると認められるときは、高年齢者雇用安定法に基づき、ハローワーク等の指導・助言の対象となる場合があるとしています。そして、会社が指導および助言に従わない場合は、当該措置の実施に関する計画の作成を勧告することができます。

(5)すぐにでも準備を始めましょう!

現時点では努力義務とされていますが、将来的な義務化等も念頭に入れたうえで、今のうちから措置を講ずることを検討しておく必要があります。
人事戦略計画の見直しや就業規則等の改定、社会保険・雇用保険・労災保険・年金制度等の再確認が必要となります。


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参考文献:

厚生労働省ホームページ「高年齢者雇用安定法改正の概要~70歳までの就業機会の確保のために事業主が講ずるべき措置(努力義務)等について~」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html

 

(執筆者:中西)

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