お役立ちコラム
精神障害等に係る労災申請が年々増加しています!~職場でのメンタルヘルス対策をおこなっていますか?
平成29年7月に厚生労働省が発表した「精神障害に関する事案の労災補償状況」によると、平成29年度の精神障害等の労災申請件数は1732件であり、これは前年に比べ146件の増加、わずか4年前に比べると323件の増加となっています。
(図1:精神障害の請求、決定および支給決定件数の推移/厚生労働省「精神障害に関する事案の労災補償状況」より)

こうした精神障害による欠勤者の増加は、長期欠勤化による労働生産性を低下させるだけでなく、その原因が業務による因果関係を有すると判断された場合には、使用者である企業に対し民事損害賠償を課されることも考えられます。
こういったリスクから会社を守るためにも、社員のストレスマネジメントは会社にとって必要不可欠となってきており、下記にあげるメンタルヘルス対策に取り組むこととあわせて、就業規則の見直しをされてはいかがでしょうか。
1. 社員が相談しやすいメンタルヘルスの相談窓口を設けましょう!
外部の機関に委託することもできますが、近年では健康保険組合でも相談窓口のサポートをおこなっているところもあります。制度をつくるだけでなく、社内に掲示することなどで周知することも大切です。また、産業医を選任している事業所ではメンタルヘルスに取り組んでいただけるようお願いしてみてください。
2. まわりの人が変化に気づける職場づくりを心がけましょう!
正しい知識と理解があればメンタル面の不調に早くに気づいたり、症状進行を妨げることができます。一般社員、管理職に対してメンタルヘルスの研修機会を確保しましょう。
3. 労働時間の長時間化に注意しましょう!
うつ病などによる解雇、労災(自殺)の訴訟では、労働時間の長短が重視されることから、長時間労働はうつ病のバロメータとされています。ワーク・ライフ・バランスの保てる職場づくりを心がけるとともに、労働時間の長い社員が休みがちになった場合は注意が必要です。
<就業規則見直しのポイント!>
(1)定期健康診断と再検査受診命令の記載
(2)休職制度の整備
- 休職期間は長すぎず、短すぎず、適切な期間の設定を
- 治癒したかどうかを適切に判断できるための基準の設定を など
(3)メンタル不全に伴う普通解雇事由の追記
上記3項目のみではなく、会社の事情に応じて、雛形の就業規則のまま放置しておくのではなく、損害賠償リスクを回避できる可能性の高いオーダーメードの就業規則を作成する必要があります。
関連ページ:
厚生労働省平成29年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
執筆者:緒方
関連コラム
- 令和7年度地域別最低賃金額改定について
- 先日開催された第71回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。【答申のポイント】(ランクごとの目安)各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク63円、Bランク63円、Cランク64円。注…
- 「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的支援ツール」が公表されました!
- 令和7年4月1日より、「介護離職防止のための雇用環境整備」や「介護離職防止のための個別の周知・意向確認等」が義務化されましたが、対応は進められているでしょうか。この度、厚生労働省から「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的支援ツ…
- 採用面接などで具体的に気をつけることは?
- 採用選考は企業と応募者の最初の接点です。企業の信頼性を高め、トラブルを防ぐためにも、基本的な考え方や注意点を押さえておきましょう。1.採用選考の基本的な考え方について採用選考は、「人を人として見る」人間尊重の精神、すなわち、応募者の基本的人…
- 障害者を雇用する上で必要な3つの手続きをご存知ですか?
- 従業員40人以上の事業主は、毎年6月1日現在の障害者の雇用に関する状況(障害者雇用状況報告)をハローワークに報告する義務があります(障害者雇用促進法43条第7項)。毎年報告時期になりますと、事業所に報告用紙が送付されてきますので、必要事項を…
- 職場における熱中症対策が強化されます!
- 今回は職場における熱中症対策として改正労働安全衛生規則が施行されますのでお知らせいたします。次の表からも2年連続で死亡者数が30人レベルであることなどから、死亡に至らせない(重篤化させない)ための適切な対策の実施が必要となります。具体的には…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。
