お役立ちコラム

CSA社労士雑記 ~パワーハラスメントを考えてみよう(2)~


 

 

今回は、「CSA社労士雑記~パワーハラスメントを考えてみよう(1)~」の続きで、日常のパワーハラスメント行為について考えていきたいと思います。

 

日々お仕事をしている中で気になるところは、

パワーハラスメントと指導の境界線はどこにあるのか。

 

自分が行っている行為が“パワーハラスメント”にあたるのか、

それとも“業務上の指導や指示”であるのか、

 

というわけですね。

 

怒鳴ってしまった、

言い過ぎて、相手を泣かせてしまった。

 

こんなことがあれば、

帰宅してからも気を揉んでいなければなりません。

 

そんな時は、ネットで自分の行為を調べることになるのでしょうが、

検索結果は主に裁判例などであって、あまり参考にならないというか。

 

というのも、裁判事例が自分の行為に当てはまるかはわかりませんし、

そもそもネット上の裁判例はある程度極端な例であるからですね。

 

でもそんな中、参考になるものがあります。

 

人事院が作成しております「パワーハラスメント防止ハンドブック」です。

公務員向けに作られたものではありますが、とても分かりやすく記載がありますので、一部をご紹介しますね。

(表1:パワハラと指導の違い ~株式会社クオレ・シー・キューブ作成資料より/人事院)

上記内容を基本と考えれば、

例えば、命に関わるような現場で大けがをしたり、生命の危機に直結するような危険な行為に対して、“怒鳴って注意をした”といった場合、パワーハラスメントにはならないと考えられます。

言い過ぎて相手を泣かせてしまったとしても、相手の成長を促す目的があり、業務上必要であったとしたらどうでしょうか。

「パワーハラスメントであるか否か」の出発点は、今日「僕や私がしてしまった行為」が、相手を尊重して指導をしていたのかどうかという観点で、基本的な線引きはその姿勢にあると考えます。

そのうえで、下記チェックリストを参考に、その時の言動・その時の自分の感情などがどのようであったかを、思い起こして考えてみてください。

 

<パワハラチェックリスト>

 

※パワーハラスメント防止ハンドブックより抜粋

 

【対外的姿勢】

□ 「死んでしまえ」、「給料泥棒」などと、人格を否定するような叱り方をしていませんか。

□ 執拗に資料の書き直しなどを命じていませんか。

□ 皆の前で部下を叱責していませんか。

□ 部下の意見に対して、意に沿うまで怒鳴っていませんか。

□ 部下に物を投げ付けたり、部下の前で書類を机に叩き付けたりしていませんか。

□ 部下にミスを転嫁していませんか。

□ 部下にとって無理な仕事を指示していませんか。

□ 週休日に出勤することを強要していませんか。

□ 部下に業務の説明をせず、無視していませんか。

□ 部下の役職に見合わない業務を与えていませんか。

□ 部下に私用を強要していませんか。

 

【自己に対する姿勢】

□ 人の心の痛みを感じ取れますか。

□ 部下に対して厳しく、上司に対しては自己主張を抑えていませんか。

□ セルフコントロールできますか。

□ 部下に対する好き嫌いが激しくありませんか。

□ 部下の成功にねたみを感じませんか。

□ 部下の功績に対して素直に褒めることができますか。

□ 厳しく叱ることはいわゆる親心であると考えていませんか。

□ 部下が迷っているときに方向性を示すなどの助言ができますか。

□ 自分の考えだけにこだわりすぎませんか。

□ 仕事以外のことで部下をコントロールしようとしませんか。

 

いかがでしょうか?

 

いずれかの項目に当てはまることがあれば、明日からできるだけ対応を変えていくことをこころがけたいところですね。

因みに、上記チェックリストは、主に上司から部下の方向で記載されておりますが、パワーハラスメントはその逆もあり得ます。

“同じ職場の中で、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的肉体的苦痛を与える行為”

がパワーハラスメントの定義ですから、

例えば、多数の部下が結託して意図的に上司からの業務上の指示を履行せず、“仕事ができない・無能である”と攻撃をしてくるようになったケースは、パワーハラスメントに該当する可能性が出てきます。

 

パワーハラスメントに限らず、ハラスメント行為につきましては、自分が加害者となる可能性もありますし、被害者になることもあり得ます。

特に、無意識にパワーハラスメント行為をしているような場合は、どこかで止めなければ、加害者側も被害者側も不幸なことで、よいことが一つもありません。

 

ぜひ一度、自分の行為・言動を俯瞰してみることをお勧めします。

自分が被害者であると思われる場合は、まずは周りに相談をしてみましょう。

 

会社に専門の窓口があればそちらへ。社内に相談先が無かったり、相談しにくければ外部の相談窓口(労働局の総合労働相談コーナー等)に行ってみるのもよいと思います。

 

関連ページ:

労務コンサルティング|人事・労務・社会保険サービス

CSA社労士雑記~パワーハラスメントを考えてみよう(1)~(お役立ちコラム)

 

執筆者:立山

(c)123RF

 

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