お役立ちコラム

配偶者控除等申告書の書き方

今年から配偶者控除等申告書を配られるようになりましたが、どう書けば良いのでしょうか?

平成29年度税制改正により、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われ、配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額が改正されました。この税制改正により、配偶者だけではなく本人の所得によっても控除額が変動するため、配偶者控除等申告書を記載して提出する必要があります。今回は国税庁のフォーマットをベースに記載方法、記載の際の注意事項についてご説明致します。

 記載の順番は①真ん中の「合計所得金額の見積額の計算表」で本人及び配偶者の所得見積額を計算、②求めた合計所得金額を元に真ん中上側で区分Ⅰ及び区分Ⅱを算出、③一番下の「控除額の計算」欄に②で求めた区分を当てはめ、控除金額を算出、の順になります。以下ではそれぞれの欄の記載にあたり注意事項を記載致します。

 ①合計所得金額の見積額の計算では、申告年の本人と配偶者の所得見積額を計算します。所得金額とは収入金額から必要経費等を差し引いたものです。給与明細に記載されている支給金額が収入金額、社会保険料や税金等の控除額を必要経費、手取りの金額を所得金額とイメージしていただければ分かりやすいかと思います。

 ご覧いただいている方は給与所得のみの方が多いかと思いますので、給与所得の求め方についてご説明致します。

給与所得の収入金額は、慶弔見舞金や通勤手当(月額15万円まで)などの非課税の収入を除いた金額になります。収入金額には賞与や残業代なども含みます。提出時点では確定金額は分かりませんので、昨年の源泉徴収票や給与明細を参考にして見込み額を記載します。給与所得の必要経費等の欄には斜線が引いてありますが、これは給与所得は他の所得と違い、実際の経費の金額ではなく一定の算式を元に給与所得控除額を算出するためです。例えば自営業を行っている場合、経費を明確に区分して計上することが可能ですが、給与所得についてはどこまでが給与を得るのに必要な経費かの線引きが難しいため、このような措置がとられています。給与所得控除額は収入金額に応じて異なるため、裏面に記載されている計算表を用いて控除額を算出します。見込み収入金額から算出した控除額を差し引いた金額が給与所得の見積金額になります。

 本人及び配偶者の見積所得金額を求めた後は、区分Ⅰ及び区分Ⅱのどこに当てはまるかを判定します。区分Ⅰ(本人)については、900万円以下、900万円超950万円以下、950万円超1000万円以下のいずれに当てはまるかを判定します。税制改正により本人の所得が多い場合には配偶者控除の金額が段階的に減額され(900万円超で2/3、950万円超で1/3)、1,000万円を超える場合には配偶者控除を受けられなくなっています。

区分Ⅱ(配偶者)については、配偶者の年齢及び見積所得金額に応じて①~④のいずれにあたるかを判定します。配偶者の見積所得金額123万円を超える場合には配偶者控除等の適用はありません。配偶者の区分要素に年齢が含まれているのは、配偶者が老人控除対象配偶者(その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人)であるかどうかを判断するためです。配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、配偶者の区分判定真ん中(生年月日の下)の老人控除対象配偶者に○をつけた上で、区分Ⅱの判定で①と記載します。老人控除対象と判定された場合には、一般配偶者控除の控除額が38万円であるのに対し、48万円の控除が受けられます。なお、老人扶養は合計所得金額が38万円以下であることが要件となっておりますので、合計所得38万円超から適用される配偶者特別控除には老人控除の適用がありません。

 本人所得及び配偶者所得の区分を判定した後は、一番下の表を使用して控除金額の算出を行います。配偶者の見積所得金額が38万円以下の場合は配偶者控除、38万円超123万円以下の場合は配偶者特別控除が適用され、配偶者控除と配偶者特別控除が両方適用されることはありません。

参考URL:国税庁HP

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_71.htm

執筆者:中谷

 

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