お役立ちコラム

非居住者から土地を購入した場合の源泉徴収ってどうするの?

私は外国に住所を持ち暮らしている個人の方から、日本国内にある土地を購入する予定です。私は個人事業者でなく、誰かに給与を支払っているわけでもないのですが、今回の土地の購入に際して所得税を源泉徴収しなければならないのでしょうか。またその場合いつまでに源泉徴収した所得税を納めなければいけませんか。

原則として所得税(及び復興特別所得税)を源泉徴収し、土地の譲渡対価を支払った翌月の10日までに納めなければなりません。

我が国の所得税法では、国内に住所を有し、又は、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人を「居住者」といい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。そして非居住者から日本国内にある土地を購入し、その譲渡対価を国内で支払う者は対価を支払う際に10.21%の税率で所得税及び復興特別所得税を源泉徴収することになっています。これはあなたが個人事業者でなく、誰かに給与を払っているわけでなくても同様です。ただし、あなたが自己又は親族の居住の用に供すために、非居住者から土地を購入した場合で、その土地の譲渡対価が1億円以下であるような場合には源泉徴収をしなくてもよいということになっています。

 なお、我が国が締結している多くの租税条約では、土地等の不動産の譲渡対価について、不動産の所在する国においても課税できる規定を置いています。したがって、非居住者が国内にある不動産を譲渡した場合、その譲渡により生じる所得について、我が国で課税できることになっていますので、国内法どおりの課税をすることになります。

<参考文献等>

国税庁HP タックスアンサー No.2875 居住者と非居住者の区分

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm

国税庁HP タックスアンサー No.2879 非居住者等から土地等を購入した時

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2879.htm

執筆者:笠井

 

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