お役立ちコラム

深夜業務に従事する場合の健康診断はどのようになるのでしょうか。

社内に深夜勤務を含むシフト制の業務に従事しているグループがあります。深夜業務に従事する場合は、定期健康診断とは別に「特定業務従事者の健康診断」を受診させなければならないと聞きましたが、どの程度の頻度で深夜業務に従事していると「特定業務従事者の健康診断」の対象となるのでしょうか。

特定業務従事者の健康診断(労働安全衛生規則第45条)とは、深夜業務を含む特定業務(労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げるもの)に従事する労働者に対して、当該業務への配置替えの際及び6ヶ月以内ごとに1回、定期的に、定期健康診断と同じ項目の健康診断を行わなければならないと定められているものです。(ただし、胸部エックス線検査については、1年以内ごとに1回、定期的に行えば良いことになっています。)

深夜業従事者の、特定業務従事者の健康診断を受診すべきかの基準は、「自発的健康診断(労働安全衛生法66条の2)」の基準が、6ヵ月を平均して1月あたり4回以上の深夜業に従事したこととされていることから、特定業務従事者の健康診断に該当するか否かも同じ基準で判断することが妥当かと考えられます。

深夜業従事者の自発的健康診断(労働安全衛生法66条の2)については、深夜業に従事する労働者自身が、自己の健康に不安を感じた場合、自らの判断で受診した健康診断の結果を事業者に提出できるというものです。この内容を受けた事業者は事後措置等を講じなればなりません。

労働安全衛生規則に定められている特定業務の種類と、これらの事業者が講ずべき措置を考えあわせると、深夜業がいかに身体へ負担がかかる業務と判断されているかが分かるかと思います。労働者を深夜業に従事させる際は、労働者の健康への配慮が必須だといえるでしょう。

参考)厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断の概要

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0119-4h.pdf

執筆者:西森

 

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