お役立ちコラム

印紙税 1号文書と15号文書の両方に該当する場合は、二重に課税される?

不動産および売掛債権の譲渡契約書について、印紙税の取扱いを教えてください。

結論から言えば、当該契約書には、第1号の1文書として印紙税が課税されます。

  ある文書が第何号文書に該当するかの判定を「文書の所属の決定」といいます。

  単一の事項のみが記載されている文書については、その記載事項によって、その文書の所属が決定されます。

  複数の事項が併記又は混合記載されている文書については、複数の号に所属することはなく、そのうち一つの号に所属が決定されます。つまり二重に課税されることは、ありません。

複数の号のうち、いずれの号の所属となるのかは、「印紙税法別表第一課税物件表の適用に関する通則」及び「印紙税法基本通達」に規定されています。例えば、「第1号又は第2号文書」と「第3号から第17号までの文書」とに該当する文書については、原則として、第1号又は第2号文書に所属することと規定されています。

  そのため、ご質問の契約書については、不動産の譲渡契約書として「第1号の1」、売掛債権の譲渡契約書として「第15号」と、複数の号に該当しますが、最終的には、第1号の1文書として印紙税が課税されることとなります。

 文書の所属の決定ルールは複雑なため、必ず国税庁発行の「印紙税の手引」などを見ながら、判断をするようにしたいものです。

<参考文献等>

国税庁 『印紙税の手引』 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/tebiki/pdf/00.pdf

 

執筆者:内山

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