お役立ちコラム

あっせんとはどのようなものでしょうか?

労働紛争を解決する手段としての“あっせん”とは、どのようなものなのでしょうか。

たとえば、毎朝、始業の30分前に会社に来て、掃除をしていたとします。

この掃除は、上司からの指示で毎日行っているものですが、その掃除の時間分の賃金はこれまで支払われていない状態が続いており、会社に訴えても改善が見られません。
何とかして、訴えを会社に受け入れてほしいのだが、どのようにすればよいのかわからない、といったことはあると思います。

このような“個別労働関係紛争”を解決する手段として、“あっせん”という手法があることをご存知でしょうか。近年その利用件数も伸びており、注目され始めている手続きです。
紛争を解決できる手段としては、裁判や労働審判等もありますが、“あっせん”はより簡易的に、迅速に解決を目指すことができます。

≪“あっせん”の特徴・裁判等との相違点≫

① 和解による解決

裁判のように勝ち負けによる決着ではなく、労働者と会社側、双方の妥協点を見つけだし、和解による解決を目指します。多くは、金銭解決による和解となります。

② あっせんが行われる場所

裁判や労働審判では、裁判所が争いの舞台となりますが、あっせんは、労働局や民間ADR機関等にて行われます。

③ あっせんの開催回数

原則として、1回の開催で決着をつけます。裁判や労働審判に比べて時間も費用もかからず、労働者にとっては、負担の少ない解決方法となります。

④ 当事者同士が顔を合わせなくて済むという点

あっせん開催日には、あっせん委員が当事者双方の主張や言い分を聞き、あっせん案をそれぞれに提示します。当日は、労働者側の部屋、会社側の部屋、権利主張や事実を、あっせん委員に述べる部屋が用意されており、当事者同士が顔を合わせるということがありません。

⑤ あっせんが成立しない場合

あっせんの参加が、当事者の自由な意思に委ねられるということがあり、どちらかがあっせんを受けない場合は、あっせんが成立しないというデメリットがあります。

ただ、多くの企業では、労働紛争の解決を迅速に、またより問題が小さいうちに解決したいという意識もあるため、多くの事案においてあっせんによる解決を図ることができております。

あっせんは弁護士、特定社会保険労務士が代理で請け負うことができます。

専門知識を有しており、求める権利をより正確に主張することができますから、当該制度を利用しようとする場合は、事前に専門家へご相談することをお勧めいたします。

 

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