長期療養中の年次有給休暇

病気やケガなどで長期療養が必要な場合、社員の申し出により有給休暇の取得は可能です。ただし、休職発令がされた後は、社員が申し出をしても有給休暇の取得はできません。

年次有給休暇とは、労働義務がある日を対象に、その労働義務を免除する制度であり、休職とは、就労義務を免除されている期間であります。

なお、行政解釈では休職に関し、以下の通達がされています。「休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務を免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地のないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請求権の行使ができないと解する。」（昭31.2.13 基収第489号）

したがって、休職中や休職期間が満了し退職になって、年次有給休暇が残っていたとしても、年次有給休暇の請求を受ける必要はありません。休職期間中に年次有給休暇の権利が発生したとしても同様です。なお、欠勤の場合は「労働義務がある日」に該当しますので年次有給休暇を取得することは可能ですが、あらかじめ就業規則にその取扱いを定めておきましょう。