お役立ちコラム

同年度内に非居住者、居住者になった人の年末調整

非居住者となった後、同じ年度内に帰国し居住者となった社員の年末調整はどうすればいいのでしょうか。

海外勤務となった者は、その勤務があらかじめ1年未満であることが明らかである場合を除き、非居住者として取り扱われます。何らかの事情で急遽帰国することになり、滞在期間が1年未満となったとしても、その海外勤務期間は非居住者として取り扱われます。

よって年の中途において非居住者期間があった者についても、その者の居住者期間内に支払うべき給与を合計して年末調整を行います。例えば、

① 1月~3月まで居住者

② 4月~9月まで非居住者

③ 10月~12月まで居住者

以上の場合、①と③の居住者期間内に支払うべき給与を合算し、②4月~9月分については除外して、年末調整を行います。なお、扶養控除等申告書の提出および、給与総額2000万円などの要件は、居住者と同様です。

また、非居住者であった期間を有するものに対する所得税は居住者であった期間内に生じた所得を基礎として計算することとされています。

社会保険料控除や生命保険料控除、地震保険料控除の対象となるのは、居住者が出国前に支払った保険料のみとなり、出国後に支払った保険料は控除対象となりません。住宅ローンの適用を受けることができるのは、居住者に限定されるが、帰国後その住宅に再居住した場合、税額控除の適用を受けることができます。

執筆者:小川

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