お役立ちコラム

従業員を転勤・出向・転籍させる場合のそれぞれの留意点を教えてください。

従業員を転勤・出向・転籍させる場合の従業員の同意について、留意点を教えてください。

【転勤】

従業員の同意がなくても、業務の都合により従業員の職務内容や勤務場所の変更(配転)は可能です。ただし一般的に、就業規則に業務上の都合により従業員に転勤を命じることができる旨の定めがあることや、実際に転勤が行われている現状があることなどが条件になります。なお、雇用契約の内容が職種や勤務地限定になっている場合は、その限定された範囲内でしか配転命令は出せません。

※なお、業務以上の必要性がない場合や、状況によっては嫌がらせと判断される場合、育児介護休業法26条に該当する場合(就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者)などについては、配置転換命令は無効とされる場合があります。

【出向】

従業員の個別具体的な同意は必要ではなく、就業規則に「出向させることがある」という内容の記載があれば、出向命令をすることは可能です。ただし、記載がない場合には、従業員に個別の同意を得る必要があります。

※なお転勤と同じく、業務上の必要性が無かったり、嫌がらせと判断されたり、育児介護休業法26条に抵触するとき等は、出向命令が無効とされる場合があります。

【転籍】

元の会社との関係を断ち、新しい会社とだけ雇用契約を結ぶものとなっているため、本人の個別の同意が必ず必要になります。同意は口頭でも構いませんが、トラブル回避のため「同意書」を書面で交わしておく方が無難です。

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