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深夜業務に従事する従業員の健康診断とは?

所定労働時間は深夜時間にかかることはないのですが、システム障害などで、まれに深夜時間に勤務する従業員がいます。この場合、深夜業にかかる者として、半年に一度の健康診断を受診させなければならないですか?

労働安全衛生法では、深夜業を含む業務に常時従事させようとする労働者を雇い入れる際、又は深夜業への配置替えを行う際及び6月以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければならないと定めています。(労働安全衛生法第66条、第66条の3)

また、実施した健康診断の結果、当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された場合には、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、深夜以外の時間帯における就業への転換、作業の転換、労働時間の短縮等の措置を講じなければならないとされています。

労働安全衛生法同条では、所定労働時間の一部でも午後10時から午前5時までの時間帯にかかる場合は「深夜業務」があるとし、上記の6ヶ月以内ごとに1回の健康診断の実施を義務付けています。

労働安全衛生法において「常時従事する」という点について明確な基準は設けられていませんが、深夜時間帯に労働する可能性がない従業員の突発的な勤務に関しては「6ヶ月以内ごとに1回の健康診断」は実施する必要がないとされています。

しかしながら、深夜残業が実態として頻繁にある労働者については、この健康診断の対象となるので、留意が必要です。また、所定労働時間が深夜時間にかからない労働者の場合であっても、過去6ヶ月間に24回以上の深夜労働があった場合は、(常時使用する労働者に対し実施することとされている)年1回の定期健康診断とは別に、個別に健康診断を実施する必要があります。

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