お役立ちコラム

アメリカの年金の受給について

私は1992年から1995年の3年間、アメリカにある子会社に転籍し勤務していました。その際、現地の社会保障制度に加入しており年金保険料(年金保険税)も支払っておりました。アメリカの年金を受給するには、最低10年の加入期間が必要らしいので、私が払った年金保険料(年金保険税)は掛け捨てになってしまうのでしょうか?

2005年10月1日の日米社会保障協定の発効により、日米の年金制度の加入の通算が可能になりました。よって米国での年金加入期間が10年に満たない場合でも、要件を満たせば日本でもアメリカの年金が受給できることになりました。(ビザの種類によってはアメリカの社会保障税が免除になるため、アメリカの年金の受給資格を得られない場合があります。)

 

また、要件を満たせばアメリカに在住したことのない配偶者も家族年金を受給できます。

 

なお、2005年10月1日以降、日米社会保障協定の適用により海外赴任した人は、現地の社会保障制度の加入が免除になっているため、アメリカの年金の受給は得られません。

 

【アメリカの老齢年金がもらえる人】

①  65歳(繰り上げ支給により62歳から受給可能)

②  アメリカで社会保障制度の加入期間1年6ヶ月(6クレジット※)以上

③  10年以上の年金加入期間(日米間での通算可能)

※  年金加入期間の単位はクレジット(1クレジットは日本の年金加入期間の3ヶ月分に相当)で表され、1年間(1~12月)の収入額に応じて最高4クレジットまで取得できます。(実際に就労した期間と、クレジットに基づく年金加入期間とは、必ずしも一致しません。)

 

よってお問い合わせのケースでは、アメリカの年金加入期間が6クレジット以上、日米を通算した年金加入期間が10年以上の条件を満たしていれば、65歳以降、日本でアメリカの年金を受給する事が可能です。

 

また①10年以上の婚姻関係②再婚をしていない、の2つの条件を満たせば、別れた配偶者であっても家族年金を受け取る事が可能です。年金を受給するためには、アメリカの社会保障番号を取得する必要がありますが、年金の受給が理由である場合、日本人でも手続きをとれば社会保障番号を取得できます。つまりアメリカに住んだ事がなくても、要件を満たせばアメリカの家族年金の受給が可能になります。

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