お役立ちコラム

キャッシュ・バランス・プランについて

確定給付型と確定拠出型の中間的な特徴を持つ企業年金制度があるそうですが、これについて教えてください。

確定給付型制度と確定拠出型制度の両方の特徴を合わせもつ混合型(ハイブリッド型)の企業年金制度としては、キャッシュバランスプラン(CBプラン)があります。本来は確定給付型ですが確定拠出型の性質も有するため混合(ハイブリッド)型年金とも呼ばれています。日本では確定給付企業年金法の施行に伴い平成14年の4月から導入が可能になりました。CBプランにおける年金資産の運用は企業が一括して行います。

 

【仕組み】

個人ごとに仮想勘定を設け、拠出額にあらかじめ決定した「指標」に基づく利率を付与し、支給開始時点までに累積した総額を年金原資として支給します。

 

拠出額:定期的に付与される持分付与額(pay credit)は、①定額②給与の額に一定の割合を乗じた額③ポイント(額)等により定める事ができます。

 

利率:あらかじめ定めた基準(指標)による「利息付与額=interest credit」を定期的に付与します。利息を付与する基準となる「指標率」には(①定率②国債の利回り(過去5年間の10年国債の平均利回りなど)③両者を組み合わせたもの④これらに上下限を設定したもの)とすることができますが、国債利回り(または国債利回り+アルファ)が多く利用されています。なお、給付の額の再評価等に用いる率は、いずれもゼロを下回らないものであることが要件となっています。

 

【メリット】

企業側においては確定拠出年金と異なり投資教育が不要であることや拠出限度額に上限がないこと、従業員側においては元本割れの不安がないことや60歳前の退職時においても給付が受け取れること等が挙げられます。

 

【デメリット】

企業側にとっては企業自身が運用するためそのリスクを企業が負わなければならないこと、従業員側にとってはCBプランの給付カーブの関係から中高年の従業員に不利になるということ等が挙げられます。

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