お役立ちコラム

ソフトウェアのバージョンアップ費用は修繕費でしょうか?

当社が保有しているソフトウェアについて、最新のニーズに対応できなくなってきたため、外部のA社へ機能の改良を委託しました。後日、A社よりバージョンアップ費用・コンサルティング費用という名目で請求書が送られてきました。これらの費用は修繕費として費用処理することができますか。

法人が有するソフトウェアについて、プログラムの修正等を行った場合、その修正等がプログラムの機能上の障害の除去・現状の効用の維持等に該当するときは、その修正等に要した費用は修繕費として費用処理することができます。

しかし、その修理等が新たな機能の追加・機能の向上等に該当するときは、その修正等に要した費用は資本的支出として資産計上しなければなりません。

今回の機能改良の場合、現在保有しているソフトウェアを最新のニーズに対応させるための費用であるため、A社からの請求書の名目にかかわらず、資本的支出として資産計上することになります。

なお、法人が有するソフトウェア・購入したパッケージソフトウェア等について仕様を大幅に変更した新たなソフトウェアを製作するための費用は、資本的支出ではなく新規のソフトウェアの取得とされる場合があります。

<参考URL>

国税庁HP 法人税法基本通達7-8-6の2(ソフトウェアに係る資本的支出と修繕費)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_08.htm

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