お役立ちコラム

歩合給を支給した場合の時間外手当の計算方法

給与体系を変更しようかと検討しているのですが、営業職を対象に歩合給を支給しようかと考えています。その場合の時間外手当の計算方法はどの様に行えば宜しいのでしょうか?

労働基準法では割増賃金の対象としなくても良いものを限定列挙しており、それら以外は割増賃金の対象に含めなければならないとされています。割増賃金の対象としなくても良いとされているものは、以下になります。

 (1)家族手当

(2)通勤手当

(3)別居手当

(4)子女教育手当

(5)住宅手当

(6)臨時に支払われた賃金

(7)1箇月を超える期間ごとに支払われた賃金(例:賞与等)

よって、歩合給も割増賃金を計算する際に対象とする必要があります。しかし、その計算においては通常の計算方法とは異なります。通常の時間外割増賃金を計算する際には、対象賃金を「1ヶ月平均所定労働時間」で割った上で割増率(1.25)をかけますが、歩合給の場合はその賃金算定期間の「月額総労働時間」で割って、割増率(0.25)をかけます。例えば、1ヶ月当たりの所定労働時間が160時間(1日8時間勤務×20日)であったとしても、対象となる月の総労働時間が180時間であれば、歩合給部分の割増賃金については180時間で割り、それに割増率と時間外労働時間をかけて支給するという取扱いをします。計算が異なるので注意が必要です。

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