お役立ちコラム
給与の振込手数料は給与から控除できるのか?
-
給与は振込により支給しています。本来取引のある地元銀行への振込を推奨していますが、従業員は自分の口座がある銀行への振込を指定してきます。その為振込手数料だけで大変な額になっています。 そこで会社指定以外の銀行口座への給与振込の場合は振込み手数料を引いて給与を支給してもいいですか。
-
給与から振込手数料を差し引いて支給することはできません。労働基準法では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められています。手数料を差し引いて支給することは全額払いの原則に反しています。
そもそも、給与から控除することができるものは、「法令に別段の定めがある場合」または「労使協定で定めた場合」のみです。法令に定めがある場合とは所得税や社会保険料の控除といった場合で、当然、振込手数料はこの中には含まれませんので認められません。
労使協定を定めた場合でも、労使協定により給与から控除することができるものは、「購買代金、社宅、寮その他の福利、厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明確なものについてのみ」となっているため、振込手数料は含まれないとされます。
関連コラム
- 固定残業代を構成する手当について
- 固定残業代を構成する手当を確認する前に割増賃金の基礎となる賃金について確認したいと思います。割増賃金の基礎となる賃金割増賃金の基礎となるのは、所定労働時間の労働に対して支払われる「1時間当たりの賃金」となります。例えば月給制の場合、各種手当…
- 令和7年度地域別最低賃金額改定について
- 先日開催された第71回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。【答申のポイント】(ランクごとの目安)各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク63円、Bランク63円、Cランク64円。注…
- 時間外労働についての再認識
- 働き方改革が叫ばれて久しい昨今ですが、直近で公表されている令和4年度「過労死等の労災補償状況」を見てみると、令和3年度に比べ、労災請求件数は387件増加の3,486件、うち支給決定件数は103件増加の904件(うち死亡・自殺(未遂を含む)…
- 最低賃金今年も変わります!
- 今年も最低賃金が変更となる季節がやってきました。本コラムでは、最低賃金改正に関して、具体的にどのように変わるのか、また、変更に伴い気を付けるポイントについて、簡単にまとめていきたいと思います。 目次: …
- CSA社労士雑記 ~正しい賃金の話をしよう(3)~
- p; 前回に引き続き、賃金のお話をもう少し。 p; まず、給与の大まかな計算方法ですが、 p; “給与支給額 - 控除額 = 銀行振込額” p; となります。 p; 皆さん…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。
