お役立ちコラム

お客様からのチップは賃金になるのでしょうか。

従業員がお客様からチップをいただきました。この場合のチップは賃金になるのでしょうか。

労働基準法第11条では、「賃金とは、賃金、給与、手当その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と定められています。この場合、労働者が受ける金銭が労働基準法上の「賃金」の判断基準は以下の2つの要点を満たしているかどうかとなります。

①使用者が労働者に支払うものであること

②労働の対償であること

今回のお客様が従業員に手渡す「チップ」がこの労働基準法の賃金に該当するかどうかが問題となります。

原則として、チップはお客様が直接従業員に支払うものであり、使用者から支払われるものではないため賃金ではありません。ただし、お客様が支払う給仕奉仕料(サービス料)が当日勤務した労働者全員に均等分配される場合は、使用者が支払うものとなり、賃金に該当します。

そのため、お客様からのチップを一旦会社がすべて回収し、労働者全員に均等分配される場合は賃金となります。

チップのもらい方によっては賃金の扱いとなりますので、会社のルールとして取り決めをされてはいかがでしょうか。

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