お役立ちコラム

納付書の事前送付の取りやめについて

はじめに


 国税庁のホームページに「納付書の事前送付に関するお知らせ」というものが掲載されているのはご存じでしょうか。

 今までは申告や納付期限が近付くと所轄の税務署から納付書が送付されておりましたが、キャッシュレス納付の利用拡大、社会全体の効率化、行政コスト削減などの目的によりe-TAXにより申告書を提出している法人等を対象に、納付書の事前送付を取りやめることとなりました。

20245月以降に送付する分から、すでに紙での納付書の事前送付が廃止されております。

これまでダイレクト納付等のキャッシュレス納付を行っていた方には影響はないかと思いますが、納付書を使用して納税を行っている多くの方に影響することが予測されるため、今回は今後の対応についてご紹介させていただきます。

3811184_s.jpg

1.納付書の事前送付がなくなる時期と対象者


納付書の送付が取りやめとなる時期と対象者は次の通りです。

開始時期

20245月以降より送付分

対象者

e-Taxにより申告書を提出されている法人

e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人

e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望された個人

「納付書」を使用しない次の手段により納付されている法人・個人

① ダイレクト納付

② 振替納税

③ インターネットバンキング等による納付

④ クレジットカード納付

⑤ スマホアプリ納付

⑥ コンビニ納付(QRコード)

※源泉所得税の徴収高計算書や、消費税の中間申告書兼納付書は引き続き送付される予定です。

※現在、e-Taxを利用されず、税務署から送付された納付書で納付されている方など納付書を必要とされる方に対しては、引き続き、納付書を送付する予定としております。

つまり、e-Taxにより申告している場合や、紙の納付書を利用していない方が納付書の事前送付取りやめの対象となります。

上記の表ですと、上2つの「e-Taxにより申告書を提出されている法人」、「e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人」に該当する方が多いかと思います。

具体的な例としましては、申告書の提出手続きは顧問税理士がe-Taxにて申告をして、納付手続き自体は納税者ご自身で納付書を使って行っているような場合に、今回の納付書事前送付取りやめの影響を受けることとなります。

2.納付書の事前送付取りやめへの対応について


 納付書の送付が取りやめになる際の対応については、まず納付書を使用しないダイレクト納付等のキャッシュレス納付があります。

またはご自身で納付書を所轄の税務署まで取りに行き、これまでと同様に紙の納付書で対応することもできます。

 前者のダイレクト納付を利用するためには事前に届出が必要であり、利用できるようになるまで時間がかかります。

納付方法を検討した際は、早めに届出等の準備を進めることが必要となっていきます。ダイレクト納付への切り替えにあたり、初めの手続きは一時的に負担に感じるかもしれませんが、一度ダイレクト納付に切り替えてしまいますと、都度紙の納付書を金融機関などに持って行かなくともオンライン上で納付を完結させることができるというメリットもあります。

これを機会に、ダイレクト納付への運用切り替えをご検討される価値もあるかと思います。

 また、前年度実績を基準とする予定申告の納税については、今までは紙の納付書が手元に届いてから支払いの認識をされていた方も多いと思いますので、今後は納税に漏れがないように期限管理をして注意することも重要となります。

おわりに


今回、納付書の事前送付が取りやめとなることにより、キャッシュレス納付への変更や、納付期限の管理など少なからず事務負担やコストが増加することが予測されます。

CSアカウンティングは辻・本郷税理士法人と提携しておりますので、納付期限の管理から納付金額の確認、ダイレクト納付による納税手続きの代行など幅広くサポートすることが可能です。

ダイレクト納付を使用するにあたり初めの申請の届出提出をサポートすることもできます。

他にも日頃の経理業務の中でわからないことや改善したいことがございましたら、CSアカウンティングはお困りごとをワンストップでサポートできますので、会計・税務の専門家のアドバイスが必要な方は是非お問い合わせください。

納付書の事前送付の取りやめによる納税の手続き、対応等でご不明な点や、お困りのことがございましたら、お気軽にCSアカウンティングにお問い合わせください。

執筆者:谷

関連コラム

リース会計処理の改正について
はじめに2023年5月2日付で、企業会計基準委員会日付で、企業会計基準委員会(ASBL)より「リースに関する会計基準(案)」および「リースに関する会計基準の適用指針(案)」が公表されたことをご存知でしょうか?今回のリースに関する会計基準の改…
インボイス制度における2割特例とは
はじめについに令和5年10月1日よりインボイス制度の適用が開始されました。インボイス制度に対応するために、免税事業者から課税事業者へ変更することにした事業者の消費税計算について、「2割特例」が新設されたことはご存知でしょうか。今回は、その「…
今更聞けない!?インボイス制度について
インボイス制度とはインボイス制度とは、2023年10月より適用される制度であり、仕入税額控除の要件として適格請求書(インボイス)の保存が義務化されるという内容の制度です。そもそも適格請求書(インボイス)とは、売り手が買い手に対して正確に摘要…
電子帳簿保存改正の「可視性の要件」で仕訳が2倍に?
概要電子帳簿保存法の改正による電子取引の電子保存義務化は、令和4年度税制改正大綱において2022年1月1日から2年間猶予されることとなりました。今回は、その電子データの保存要件の1つである「可視性の要件」について、事前準備や関連知識が不十分…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。