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法人に関わる税金は13種類もある!?今すぐできる節税対策8選とは?

法人が意識するべき税金とは?

法人が意識するべき税金は主に下記の13種類があります。

    01.法人税

    02.法人住民税

    03.法人事業税

    04.地方法人税

    05.消費税

    06.印紙税

    07.登録免許税

    08.所得税

    09.固定資産税

    10.自動車税

    11.自動車重量税

    12.自動車取得税

    13.軽自動車税

詳しく見ていきましょう。

税金1. 法人税


法人税とは、「法人の利益に課せられる、税務署に納める税金」です。

金額の決め方は会社の利益(所得)に税率をかけて決めます。

しかし法人税は、所得税のように累進課税(所得が多いほど税率が高くなる)制度を取っていません。

法人の場合は種類と規模によって異なります。下記が2019年度12月現在の法人税率区分です。

法人の種類 課税所得金額800万円超の部分 課税所得金額800万円以下の部分
普通法人 23.2% 23.2%
中小法人(一般社団法人含む) 23.2% 15.0%
公益法人 23.2% 19.0%

税金2. 法人住民税


法人住民税とは、「法人税額に課せられる、地方公共団体に支払う税金」のことです。

法人事業所は自治体の公的サービスを受けているとみなされ下記の式で算出されます。

法人住民税=法人税額×住民税率+均等割

2019年12月現在、東京23区で令和元年10月1日以降に事業を開始する場合、税率は7.0%です。[注1]

税金3. 法人事業税


法人事業税とは、「法人が利用している道路や港湾、消防、警察などの公共施設にかかる経費の一部を負担するための税金」です。

税額は「所得×法人事業税率」で求められ、税率に関しては法人の種類や事業開始年度、事業所を構える都道府県によって異なります。

税金4. 地方法人税


地方法人税とは、「平成26年に新たに創設された税金」です。

地方と称されているものの支払先は国で、国が地方自治体に分配する地方交付税の財源になります。

各自治体によって、税収にばらつきが出ないようにするためです。

現在の税率は下記のようになっております。

令和元年10月1日前に開始した課税事業年度 4.4%
令和元年10月1日以後に開始した課税事業年度 10.3%

税金5. 消費税


消費税は、「課税売上高」が1,000万円を超えた年度の翌々年から納める義務が生じます。

課税売上高とは、消費税がかかる商品やサービスに対する売上のことです。

税金6. 印紙税


印紙税とは、「取引に関する契約書や領収書などの文書を作成したときにかかる税金」です。

「印紙税法」という法律に基づいた税金で、一般的に200円~数万円前後です。

税金7. 登録免許税


登録免許税とは、「不動産の名義を変更(登記)する際などに支払う税金」です。

不動産登記の場合、2019年12月時点での税額計算方法は下記の式で求められます。

登録免許税=固定資産税評価額×税率

税金8. 所得税


法人に関係する所得税は、「源泉徴収義務に基づき企業がいったん預かったうえで納める税金」です。

法人の場合は、役員報酬や従業員の給与からの天引き、源泉所得税と呼ばれることもあります。

納付が遅れると附帯税がかかる恐れがあるため注意しましょう。

税金9:固定資産税


固定資産税とは、「会社が所有している土地や建物、一定金額を超えた固定資産に対してかかる税金」です。

通常、税額は下記の式で求められます。

固定資産税=固定資産税評価額×税率(1.4%が標準)

税率に関しては地域とその財政状況によって多少変化します。支払い時には必ず確認しましょう。

税金10. 自動車税


自動車税とは、「自動車を保有した際にかかる税金」です。

毎年度の4月1日時点で保有していた場合に課せられます。

金額はその車の排気量を基に決められます。

税金11. 自動車重量税


自動車重量税とは、「車の重量によって決まる車検時に納める税金」です。

納める額を少しでも低くしたい場合は、重量の軽い自動車を選ぶとよいでしょう。

税金12. 自動車取得税


自動車取得税とは、「車を購入時に支払う税金」です。

2019年10月1日で廃止され新たに「自動車税環境性能割」が導入されました。

税金13. 軽自動車税


軽自動車税とは、「軽自動車の所有者にかかる税金」です。

毎年4月1日に車検上所有を認められていれば、自動的に税金を負担することになります。

[注1] 東京都主税局/法人事業税・法人都民税」都民税法人税割の税率表


今すぐできる8つの節税対策

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法人が払うべき税金は約13種類と多いです。

そこで、今すぐできる節税対策をご紹介いたします。

対策1. 役員報酬の見直し


法人の節税対策の王道は「役員報酬の見直し(増やす)」です。

この対策で節税効果を出すのは「法人税」です。

法人税は会社の利益に税率をかけるため、利益は少しでも少ないほうが節税になります。

ただし、役員報酬は、増えすぎると所得税や住民税への負担が大きくなるリスクも抱えているのです。

そのため多くの企業は法人税と所得税、住民税の支出バランスがよいところを探って役員報酬を決めています。

対策2. 旅費規定の見直し


旅費規程とは、出張に関する旅費の取り扱いをまとめた規程です。

もし旅費規程を作成する場合は、以下のポイントを必ず踏まえると税務署からの信頼を得られやすいでしょう。

    aoten.jpg 出張の目的を定める

    aoten.jpg 出張の適用範囲を定める(全社員を推奨)

    aoten.jpg 出張の定義を定める(距離や交通機関の種類)

    aoten.jpg 支給する費用の種類と上限額を定める

    aoten.jpg 出張に関する手続きを明記する

対策3. 法人保険の活用


法人保険も節税効果が高いといわれています。

法人保険は、課税所得を決める際に関わるものと定められているため、一定の要件を満たす場合には、毎月支払う保険料は費用として計上され、節税に一役買っているのです。

種類によっては納めている保険料の全額を費用として計上できる保険や、解約した際にお金が受け取れる保険もあります。

対策4. 自家用車を商用車へ変更


自家用車を商用車に変更することで、車の新規取得費用などを経費に計上でき、節税となります。

ほかにもガソリン代や高速道路代、保険の掛け金も経費になるため、営業や車を使用することが多い法人はすぐにでも実施したしましょう。

ちなみに、法人名義で車を新規購入する場合は、経費計上までの時間が短いという点で新車よりも中古車のほうがおすすめです。

対策5. 決算賞与の導入


決算賞与とは「決算時に社員へ支給される賞与」です。

決算で予想以上の利益が出たときは、決算賞与を社員に支給することで費用計上できます。

賞与は社員のモチベーションにもなるため、利益が出た年度は導入したほうがよいでしょう。

対策6. 貸し倒れ処理を行う


貸し倒れ処理とは、回収できていない売掛金などを期末に損失として処理することです。

損失として処理することで売上や利益計上にはならないため、回収の見込みがないものは検討したほうが節税になります。

処理を行う際は、国税庁が定めた「貸し倒れ損失のポイント」を参考にするのをおすすめします。[注2]

対策7. 社員旅行の実施


社員旅行も一定の条件を満たした状態で行うと、福利厚生費として計上できて
節税になります。

下記が国税庁で定められている社員旅行の条件です。[注3]

    aoten.jpg 旅行の期間が4泊5日以内である

    aoten.jpg 海外旅行は、外国での滞在日数が4泊5日以内であること

    aoten.jpg 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること。

    aoten.jpg 工場や支店ごとに行う旅行は、それぞれの職場ごとの人数の50%以上が参加すること

対策8. 健康診断(人間ドック)の実施


人間ドックを含む健康診断も下記の条件を満たすことで福利厚生費に含まれます。

    aoten.jpg 人間ドックを含む健康診断の対象が全社員であること

    aoten.jpg 費用負担が会社であること

    aoten.jpg 検診内容が一般的であり、金額も著しく高額でないこと

[注2]国税庁/No.5320 貸倒損失として処理できる場合

[注3]国税庁/No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行


まとめ

法人が支払う税金の種類は約13種類と多いため、節税のための知識をしっかりと身に着ける必要があります。

記事を参考に、適切な節税を行い、よりよい会社経営を目指しましょう。


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