お役立ちコラム
これを見れば全部わかる!経理アウトソーシングについてあらゆる疑問にお答えします
経理業務を効率化する方法のひとつにアウトソーシングがあります。今回は経理アウトソーシングにおける費用感やメリット・デメリットなど、様々な疑問にお答えしてまいります。経理業務のアウトソーシングを検討されている方は是非お読みください。
1. そもそも経理業務ってどんなことがあるの?
まずは基本から。
そもそも経理業務とはどのような業務を指すのでしょうか?
「経理」は「経営管理」の略で、もともとはお金に限らず経営資源を管理することを意味します。いまでは、主に「お金の流れを管理すること」と一般的には認識されています。経理は、自社の財政状況、経営実績、税金などを数値化して、経営者や株主へ資金に関する情報を提供します。具体的に経理部門が担う業務は、主に5つあります。
細かい業務内容を並べるとさらに多くの経理業務がありますが、大まかな分類ではこのようになります。
ちなみに、「会計」は家計簿をつけるようにお金の出入りを記録する会計帳簿を作成する業務です。「会計」は経理業務の一部と言えるでしょう。「財務」は資金調達、資産運用を行う業務です。経理が作成した賃借対照表や損益計算書をもとに、銀行との融資交渉、投資、M&A(合併や買収)などを行います。
2. 経理業務を効率化するにはどうすればよいか?
上記のように経理業務な経理業務を効率化するために有効な方法はどんなものがあるでしょうか?
以下は、ビジネススキームの変化やITの発達によって出現した手法です。アメリカで誕生し、日本企業にも徐々に導入されつつあります。
現在では説明不要なクラウドサービスですが、改めてそのメリットは、
・ 自社で情報システムを開発・保守する必要がない
・ 初期費用を抑え、導入期間が短縮できる
・ 保守、メンテナンス、アップデート等はサービス提供側が実施
・ インターネットに接続できる環境があれば、社外利用が可能
既に経理や会計機能に特化したクラウドサービスが多く提供されており、利用されているユーザーも少なくないでしょう。
「業務コストの削減」「人手不足の補完」「専門家への委託による業務品質の向上」「業務の標準化」など、さまざまなメリットがあります。
当コラムでは、(2)BPO=経理アウトソーシングについて、詳しく解説していきます。
3. 経理をアウトソーシングするメリット・デメリットとは?
経理アウトソーシングは、会社の経営を円滑かつ効率的にするために役立つサービスです。
経理アウトソーシングにはさまざまなメリットがありますが、デメリットも見落としてはいけません。双方をきちんと確認した上で、信頼できる経理アウトソーシング会社を選ぶようにしましょう。
経理アウトソーシングのメリット
自社で経理スタッフを抱えると、その分の人件費だけでなく教育コストや採用コストなどがかかってしまいます。 また、経理担当者が退職してしまった際には採用にかかるコストもかなり増えて、経営を圧迫するという可能性も...
年間で経理スタッフに支払っている給与や経理に関わるコストと比較して、経理アウトソーシング会社に依頼する方が低コストの場合は、外注もひとつの経営策といえます。
反対に閑散期もあり、経理の仕事の配分をその時期によって変えていかなければなりません。
経理の仕事をアウトソーシングすれば、業務配分などを考える手間をなくすことができます。 忙しい時期のみ、また時間がかかる業務のみ外注するという方法も有効です。
経理アウトソーシング会社では数値のチェックを正確に行っているだけでなく、ビジネスパートナーとしての契約関係にあり、不正にはより厳しい体制を取っていることが大前提となります。
契約に従って、正しく経理の管理を行ってくれることでしょう。
社内の経理スタッフだと、専門家ではない限り情報を見落としている可能性もありますが、経理アウトソーシング会社なら経理のエキスパートが揃っており、常に経理に関する最新の情報を共有し、プロとして迅速にしっかりとした対応を行うことでしょう。
経理業務にかかっていた時間およびコストを本来の会社に必要な業務に回せば、より生産性の高い業務を行うことができるでしょう。
このことを「コアコンピタンス」ともいいますが、少ない社員人数の中で企業としての得意分野に注力し、より効率的に業務を進めたいという場合には、経理アウトソーシングは大変役立ちます。
経理アウトソーシングのデメリット
経理アウトソーシング会社との契約を終了した際、社内に引き継げるスタッフが不在という事態に陥り、苦慮する可能性があります。
アウトソーシングする業務を縮小するときや、自社で内製化を進める際に、ノウハウ等を提供してくれる経理アウトソーシング会社を選ぶことで、問題を解決できるかもしれません。
しかし経理アウトソーシング会社は原則として契約に則った内容の仕事を行うため、イレギュラーな対応には必ずしも対応できるわけではないというデメリットがあります。
オプションをつけられる経理アウトソーシング会社や、イレギュラーな仕事内容にもきちんと対応してくれる経理アウトソーシング会社を選びましょう。
会社の経理の状態が外部に丸分かりになってしまうため、情報漏えいに関してはとくに慎重にならなければなりません。 投資などを行っている会社の場合は、競合他社にその内容が漏れてしまうという恐れもあります。
依頼する経理アウトソーシング会社がきちんと情報漏えいに対しての対策を取っているか、セキュリティは万全かどうか、契約前にはホームページだけでなくスタッフにしっかり確認を取っておくようにしましょう。
4. アウトソーシングの費用はどのくらい?
では、いざ経理アウトソーシングを行いたいとなった場合、どのくらいのコストを見込めばよいのでしょうか?
ここでは、経理アウトソーシングに必要な料金の種類や相場、費用感について解説していきます。
経理アウトソーシング料金の構成
経理アウトソーシングの料金は、いくつかの費用によって構成されています。具体的な構成を見てみましょう。
① システム導入費用
② 月額使用料
システムによって、①②両方または片方のみ発生する場合があります。
設定価格は数万円~数十万円前後と幅広いです。申し込むタイミングによっては、初回登録料が免除されるケースもありますが、登録料が発生しない会社のなかには月額料金を割高にしている場合もあるため、十分検討しましょう。
料金変動の要因
アウトソーシング要員を減らして費用を抑えることも可能ですが、人員が少ない分業務が完了するまでの日数が延びる恐れもあるため、注意しなければなりません。
また、深夜帯・土日・お盆やゴールデンウィーク内の稼働をアウトソーシング先へ依頼した場合は、割増料金を請求されることもあるため、事前に確認しておきましょう。
アウトソーシング会社にとっても専門性の高いスペシャリストほど単価が高額となるためです。
経理アウトソーシング料金の目安
アウトソーシング料金の目安は、該当する業務を担う人件費と比べて割安かどうかがポイントになります。
例)時給1,000円 アルバイト1名
1,000円×8時間×20日=16万円
交通費、採用広告費を考慮して時給2,000円とすると、1名あたり毎月32万円
上記のように人員を雇用した場合の費用と比べてアウトソーシングの料金が割安になるかどうかが目安となります。なお、業務のアウトソーシングにより社会保険料の支払いが無く、その分の費用を抑えることができます。
5. アウトソーシングに向いている企業
次に、経理アウトソーシングはどのような企業に向いているか?という点です。
中小企業では、大企業とは違って他部門の社員が経理業務を兼任していたり、慢性的な人手不足で経営の足かせとなっていたり...。
そんな悩みを解消してくれるのが経理のアウトソーシングです。
中小企業が抱える問題
中小企業の多くは、人手不足という問題を抱えています。また、仕事を受注する営業部門や商品を仕上げる製造部門などにリソースが割かれ、経理に力を入れている中小企業は少ないのではないでしょうか。
日々のルーティン業務に追われることで、経理の観点から経営にフィードバックする機会や、最新の経理知識を深める余裕もありません。経理は業績を左右する判断のベースとなる情報を提供する部門にも関わらず、そこにマンパワーを注げていないのが、中小企業の人手不足がもたらす影響のひとつです。
中小企業こそ経理アウトソーシングに向いている
人手不足を抱える中小企業だからこそ、日々の業務はもちろんのこと、経理業務をアウトソーシングすることで経営をより効率化できます。
「人件費を抑えコストダウンにつながる」、「専門的な知見を活用できる」、「不正防止」など、アウトソーシングによるメリットは前述の通りです。専門職として社内にスタッフを要することが難しい中小企業の方が、経理アウトソーシングのメリットは大きいといえるでしょう。
6. 経理アウトソーシングを選択する場合のポイント
それでは、実際に経理アウトソーシングを採用する場合のポイントを考えてみましょう。
具体的にどのような経理業務を選択してアウトソーシングするのか、外部に依頼する際にはどのような点に注意しなければならないかを述べていきます。
アウトソースできる経理業務の例
経理には、ルーティン業務をはじめ決算業務など、さまざまな業務があります。経理をアウトソーシング化する際は、自社の業務負荷や自社固有の状況に応じて、部分的なアウトソーシングにするのか、フルアウトソーシングにするのかを選択することが必要です。
アウトソーシング可能な経理業務の一例は、次の通りです。
- 売上管理業務
- 請求書、見積書、注文書の作成業務
- 受発注管理業務
- 経費精算、管理業務
- 現金出納帳管理業務
- 記帳業務
- データ入力業務
- 出荷、在庫管理業務
- 伝票審査業務
- 事業計画書の作成業務
- 月次決算業務
- 四半期決算業務
- 期末決算業務
- 税務決算業務
外部に委託する際のポイント
特に業歴の長い会社の場合、現在に至るまでの間に自社固有の業務がたくさん生まれているはずです。アウトソーシング対象すべての業務をリストアップし、定型化が可能かどうかの事前チェックは欠かせません。
法的に遵守しなければならない部分は、どんな会社も統一できる処理になりますが、日々のちょっとしたルーティン業務のなかには、自社判断による例外処理もあるでしょう。
経理業務をアウトソーシング化するためには、それらの例外処理をパターン化できるかどうかが重要です。本当に必要な例外処理なのかどうか、事前に見直し判断するようにしましょう。
すべての業務を委託する必要がないため、仮にルーティン業務に追われているようであれば、その部分だけでも外部委託するという選択肢もあります
7. 経理アウトソーシング先を比較するポイント
最後に、アウトソーシング先の会社を選ぶ際の比較や選定のポイントとして、5つの観点を上げていきます。
まとめ
いかがでしたか?
経理業務は会社固有の要素が含まれ、すべてを自動化することは難しく、どうしても人の手を必要とする業務です。経理のアウトソーシングと一言で言っても、コストやメリット・デメリット、アウトソーシング先の選定方法など、考慮しなければならない点が多くありました。
経営判断のスピードアップをさせるには、経理の業務改善は欠かせません。アウトソーシング化も業務改善のひとつ。そのための検討材料のひとつとして当コラムがお役に立てれば幸いです。
以上
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