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経理が行う「売上管理」とは?気をつけるべき5つのポイントをご紹介

「売上管理」とは、企業の売上を総括して管理する業務です。

一見、「売上だけを見ればよいのかな」と思ってしまう方もいらっしゃるのですが、「管理」まで踏まえてみると、業務内容や気を付けるポイントは多岐にわたります。

特にポイントを理解して業務を進めないと、会社にとって有益な売上管理業務にならないかもしれません。

そこで今回は、経理が行う売上管理についてわかりやすく解説し、気をつけるべき5つのポイントをご紹介いたします。

シンプルな業務でありながら難しい売上管理への理解を深めましょう。


経理が行う「売上管理」とは?

経理が行う「売上管理」とは、日々の売上の記帳や分析が主な業務です。

一見地味な作業に見えてしまいがちですが、企業経営において売上管理はとても重要な役割を果たしています。

企業が売上管理を行う理由として下記の2つが挙げられます。


  • 現時点の企業状態がおおまかに把握できるため
  • 状態分析から早期に対策が立てられるため


売上管理の帳簿に記載されたデータは、企業の今後を左右する重要な判断材料です。

経営に携わる方は、そのデータを元に現状把握し打開策や推進策を打ち出し、企業をさらに成長させようと考えます。

つまり、売上管理は「記録をつけてそれで終わりではない」のです。


「売上管理」をするうえで気をつけるべき5つのポイント


上述したように、売上管理は企業経営の今後を左右する重要な判断材料になります。

そのため、売上管理の業務を行うにあたり、必要なのは下記の3つです。


  • データの正確性
  • 効率
  • 判断材料の具体性


これらをすべて網羅するためは、下記の5つのポイントに注意が必要です。

  1. 業務効率向上のためにテンプレートを作成・整理する
  2. 売上管理に関するルールを作り、遵守する
  3. 売り上げ数値以外の項目も記入できるようにしておく
  4. 手計算は行わず、表計算ソフトを用いる
  5. 管理する項目とその特徴をしっかり理解しておく


それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。


ポイント1:業務効率向上のためにテンプレートを作成・整理する


売上管理の業務にテンプレート(雛形)の作成は欠かせません。

テンプレートを作成しておくことで、記入する箇所が一目でわかり、効率を上げることに役立ちます。

また、新入社員や未経験者でも覚えやすいため、誰でもすぐに業務を進められるメリットもあります。

売上管理を担当したら、わかりやすいテンプレートの作成に努めましょう。


ポイント2:「売上管理」に関するルールを作り、遵守する


テンプレート(雛形)を作成する際、売上管理に関するルールや決めごとも一緒に決めておくとよいでしょう。

売上管理では、入力だけなら誰でもできる業務です。

多くの人が入力業務をすると、ルールや決めごとが統一されていないと情報が散乱してしまい、収集がつかなくなる可能性があります。

記載方法や備考欄の使用方法などを決めておくと、見やすさ、利便性、効率が上がるでしょう。


ポイント3:売り上げ数値以外の項目も記入できるようにしておく


売上管理表には数値以外の項目も記入しておけるようにしましょう。

特に天候や曜日、地域特有のイベントが重なった日などを記入する項目を作成しておくとよいでしょう。

これらは、売上管理表から経営分析や市場調査を行う際のよい判断材料となるからです。

自社の商品が天候やイベント、曜日によってどう変化するかがわかればそれに関する対策を立てることができます。


ポイント4:手計算は行わず、表計算ソフトを用いる


売上管理を行うにあたり大事なことの1つに「データの正確性」を挙げました。

正確性が求められるのは主に数値ですが、数値は手計算で行うと間違ってしまう可能性が高く、また時間と手間もかかります。

そこでおすすめなのが、表計算ソフトの活用です。

表計算ソフトは、各項目の数値を入力するだけで、自動で正確に計算してくれるため、人の手で計算するよりも正確性と速度に優れています。


ポイント5:管理する項目とその特徴をしっかり理解しておく


売上管理は事前に管理する項目とその特徴を理解しておきましょう。

特に項目の特徴を知らずに数値だけを入力していては、今後のキャリアを見据えたスキルアップが難しくなります。

下記が主に売上管理表に載せておくとよい項目と、その特徴です。


項目名 特徴
各項目の目標 各項目の中で数字を追うべきものには、必ず目標を立てているはずです。進捗度合いと見比べて分析するためにも各項目の目標はしっかり記入しておきましょう。
売上目標の達成進捗 売上目標に対する、現状の進捗度合いのことです。進捗度合いを記入する期間は「毎月」「四半期」「年度」と分けておくとその都度目標に対して対策を立てることができます。
仕入れた商品の原価 仕入れた商品の原価を記入すると、固定費を覗いた粗利益が分かります。粗利益は今後の経営分析に役立つでしょう。
予算と消化状況 予算や経費(材料費、広告費など)の消化状況や消化率を記入します。予算に対する消化率の妥当性を評価できます。
曜日・天候 上述したように、曜日や天候など一見売上とは関係なさそうなものに思えますが、商品によっては曜日や天候で売れ筋が変わるものもあります。想定していなかったものが曜日や天候の違いで売れ行きが変わることもあるため、記入しておきましょう。


どの項目も、経営状況を把握し、今後の対策を立てるために必要です。

今ある売上管理表に足りないものがないか見直してみましょう。


まとめ

売上管理は一見、日々の売上を入力するだけの簡単な作業に見えるかもしれません。

確かにデータを入力するだけであれば、ほぼ誰にでもできる業務です。

しかし、売上管理表に入力したデータは、会社の経営状況を示す重要なものです。

経理業務の中でも特に「データの正確性」「効率」「判断材料の具体性」が求められます。

これら3つを満たした管理表を作るのが売上管理の業務です。

もし今後、経理担当になり売上管理を任された場合、まずは各項目の名前と特徴、記載の際のルールを確認しましょう。

経理は会社の経営を支える大事な仕事です。

今後のキャリアのためにも丁寧な売上管理を行ないましょう。

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