お役立ちコラム

特定資産を買換えた場合の圧縮記帳とは?

 私は東京都23区内で不動産業を営んでいる法人のオーナーです。このたび新たに東京23区内で土地を取得して新規のマンションを建築することになりました。その際に既存の土地と建物を売却して資金をねん出したいと考えています。既存の土地と建物の売却に関して税制上の優遇措置は無いのでしょうか。

 このような事案の場合ですと『特定資産を買換えた場合の圧縮記帳』の適用の可能性があります。

『特定資産を買換えた場合の圧縮記帳』とは、昭和45年4月1日から平成32年3月31日までの間に、その所有する棚卸資産以外の特定の資産(譲渡資産)を譲渡し、譲渡の日を含む事業年度において特定の資産(買換資産)を取得し、かつ、取得の日から1年以内に買換資産を事業の用に供した場合又は供する見込みである場合に、買換資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額するなどの一定の方法で経理したときは、その減額した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができる制度です。

 貴社の事案ですと、23区内(既成市街地等の区域内)での買換えとなります。そのため、今回売却する土地と建物が長期所有資産に該当するかどうかがポイントになってきます。まずは取得時期の確認から始めてみてはいかがでしょうか??

<参考文献等>

国税庁HP:No.5651 特定資産を買換えた場合の圧縮記帳

https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5651.htm 

執筆者:松田

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