お役立ちコラム

みなし寄付金制度とはどのようなものですか?

当法人は社会福祉法人ですが、資金不足を補うために収益事業の開始を検討しています。法人税にみなし寄付金という優遇制度があると聞いたのですが、どのような制度なのか教えてください。

みなし寄付金とは、公益法人等が公益事業を遂行する上での資金不足を補うために、収益事業から金銭等を振り分けることをいいます。

収益事業から非収益事業へ支出した金額は、同一法人内での資金移動であり、外部に拠出されたものではありませんが、収益事業の法人税の所得計算上、寄付金の額とみなして、一定の限度額の範囲内で損金算入が認められます。

なお、みなし寄付金の規定の適用を受けるためには、収益事業と非収益事業とを区分して経理を行い、実際に収益事業から非収益事業へ資金等を移動させる必要がありますので、ご注意ください。

<参考文献等>

法人税法37条5項

法人税法基本通達15-2-4

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/15/15_02.htm

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