お役立ちコラム
課税売上割合がゼロの場合に消費税の還付は受けられるのか?
-
当社は資本金1,000万円で設立1期目の法人です。 設立から期末までの間に商品の仕入れと経費の支払いはありますが、収入は預金の利息だけで売上はありませんでした。 この場合、課税売上割合はゼロになるので、消費税の還付は受けられないのでしょうか?
-
課税売上割合がゼロの場合であっても、仕入税額控除の計算に個別対応方式を採用すれば、課税仕入れに係る消費税額のうち、課税売上げにのみ要するものは仕入税額控除ができます。というのも、消費税法基本通達11-2-12において、「課税仕入れ等を行った課税期間において当該課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問わない」と規定されています。
したがって、お問い合わせの場合でも、課税仕入れに係る消費税額を、①課税売上げに対応するもの、②非課税売上げに対応するもの、③課税・非課税の売上げに共通するもの、に合理的に区分すれば、①に該当する部分の税額控除ができるので、結果として消費税の還付を受けることができます。
なお、お問い合わせの場合で資本金が1,000万円未満の場合には消費税の新設法人に該当しないので、課税事業者の選択を検討する必要があります。
<参考文献等>
国税庁HP 消費税法基本通達11-2-12 課税資産の譲渡等にのみ要するものの意義
関連コラム
- 消費税免税店制度からリファインド方式へ
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、消費税免税店制度からリファインド方式への変更についてです。消費税の免税店制度は令和8年11月からリファインド方式に移行します。これまで外国人旅行者に対し…
- 消費税のプラットフォーム課税の導入とインボイス制度への影響
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、消費税のプラットフォーム課税の導入とインボイス制度への影響についてです。消費税のプラットフォーム課税の導入は令和6年度税制改正大綱において明記され、令和…
- インボイス制度のおさらい:適格請求書等保存方式のポイントと特例
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、インボイス制度のおさらいです。2023年10月1日に開始された「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」は、消費税の仕入税額控除の仕組みを大きく変えまし…
- テナントオーナーは要注意!賃貸借契約とインボイス
- 概要2023年10月1日より制度開始となる適格請求書等保存方式(以下、「インボイス制度」)により、お金にまつわる書類である請求書や領収書など(インボイス)の交付・保存について厳格化されます。では見直しをするのは請求書や領収書だけかというと、…
- 令和5年税制改正(消費税)
- 令和5年税制改正―消費税―令和5年の消費税における税制改正については、インボイス制度に関するものがほとんどでした。下記にて詳細をご説明させて頂きます。1.小規模事業者に係る納税額の緩和措置これまで免税事業者であった者がインボイス発行事業者に…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。
