お役立ちコラム

役員死亡による生命保険金の益金算入時期と死亡退職金の損金算入時期

先日役員が亡くなりました。これにより当社は生命保険金を受領しますが、この保険金を原資に死亡退職金を支払います。法人税の計算上、生命保険金の益金算入時期と死亡退職金の損金算入時期はどのようになるのでしょうか?

生命保険金の益金算入時期は、一般的な法人税の取扱いでは被保険者である役員が死亡した日に計上することになります。

ただし、実務上は保険会社による調査を経て金額が確定する場合が多く、そのような場合には保険会社から支払通知書が発せられた日に益金に算入することが認められることもあります。

これに対して死亡退職金は、株主総会の決議等によりその額が確定した日、または、法人がその退職金を支払った日に損金算入することとなります。

以上より、生命保険金と死亡退職金の間に一連の流れがあったとしても、生命保険金の益金算入時期と死亡退職金の損金算入時期が一致するとは限りません。また、生命保険金や死亡退職金は多額になることもありますので処理する際にはご注意ください。

<参考文献等>

国税庁HP タックスアンサー No.5208 役員の退職金の損金算入時期

https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5208.htm

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