お役立ちコラム
リスク分担型企業年金とはどのようなものですか?
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先日、雑誌でリスク分担型企業年金という言葉を見かけました。リスク分担型企業年金とはどのようなものですか?また、会計処理はどのように行えばよいですか?
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平成27年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」に基づき、平成28年度に新たな確定給付企業年金の仕組みであるリスク分担型企業年金制度が導入されました。リスク分担型企業年金とは、事業主がリスクへの対応分も含む固定の掛金を拠出することにより一定のリスクを負い、財政バランスが崩れた場合には給付の調整を行うことで加入者も一定のリスクを負う企業年金制度をいい、事業主と加入者の双方がリスクを分担する仕組みになっています。
リスク分担型企業年金制度を採用した場合、会計上はその制度の内容により以下のように分類されることになります。
①退職給付会計基準上の確定拠出制度に分類される場合
企業の拠出義務が、規約に定められた標準掛金相当額、特別掛金相当額及びリスク対応掛金相当額の拠出に限定されており、これらの掛金の他に拠出義務を実質的に負っていないものは、退職給付会計基準上の確定拠出制度として会計処理を行います。
②退職給付会計基準上の確定給付制度に分類される場合
①以外の場合のリスク分担型企業年金については、退職給付会計基準上の確定給付制度として会計処理を行います。
<参考文献等>
企業会計基準委員会 実務対応報告第33号
「リスク分担型企業年金の会計処理等に関する実務上の取扱い」
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/taikyu2016/taikyu2016_1.pdf
。
(掲載日:2017年4月4日)
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