お役立ちコラム

欠損金の繰越控除制度等(平成28年度税制改正)

平成28年度税制改正により欠損金の控除限度額・繰越期間について見直しが行われたようですが、内容を教えて下さい。

平成27年度税制改正で決定した中小法人等(※1)以外の法人に対する欠損金の繰越控除制度について、平成28年度税制改正で以下のように更なる見直しがされています。

(※1)中小法人とは、普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下のもの(資本金の額等が5億円以上の法人等の100%子法人等を除く)又は資本若しくは出資を有しないもの、その他一定の法人をいいます。

▼控除制限(平成28年4月1日以後に開始する事業年度において適用されます。)

中小法人等以外の法人の青色申告書を提出した各事業年度の欠損金及び災害による損失額の繰越控除制度における控除前所得の金額に対する控除限度割合が以下の通りとされました。

事業年度

控除限度額

平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度

控除前所得の金額の100分の60

平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度

控除前所得の金額の100分の55

平成30年4月1日以後の間に開始する事業年度

控除前所得の金額の100分の50

▼繰越期間の延長

平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額について、繰越期間が10年に延長されました。これに伴い、欠損金が生じた事業年度に係る帳簿書類の保存期間や欠損金額に係る更生の期間制限及び更生の請求期間が10年に延長されました。

<参考文献等>

国税庁HP 平成28年度法人税関係法令の改正の概要

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2016_4/pdf/04.pdf 

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