お役立ちコラム

最近よく話題になっているBEPSとはどういう意味なのでしょうか。

最近よく『BEPS』という用語をニュースで耳にします。平成28年度税制改正により移転価格税制の文章化制度の改正が行われましたが、これも『BEPS』プロジェクトの一環と耳にしています。そもそも『BEPS』とはどのようなことを意味しているのですか??

『BEPS』とは『Base Erosion and Profit Shifting』の略称であり、日本語では『税源浸食と利益移転』と訳されます。

これは、近年のグローバルなビジネスモデルの構造変化により生じた多国籍企業の活動実態と各国の税制や国際課税ルールとの間のずれを利用することで、多国籍企業がその課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行っている行為を意味しています。

平成24年からこの問題を解決すべく、OECD租税委員会において『BEPSプロジェクト』が始動しています。この『BEPSプロジェクト』とは、一部の欧米多国籍企業が行っていた過度な租税回避行為を防止すべく、国際課税ルールを見直し、各国税務当局が協調して対処することを目的とするもので、平成27年10月には最終報告書が公表されています。

今後は日本においても最終報告書の内容を踏まえた上で、今回の移転価格税制の文章化制度の改正のような、国際課税制度の制度設備が行われることが想定されております。

 

 <参考文献等>

政府税制調査会HP:BEPSの全体像

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2013/__icsFiles/afieldfile/2013/10/08/25zen3kai2_1.pdf

 

国税庁HP:税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)への取り組みについて -BEPSプロジェクト-

https://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/beps/index.htm

 

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